「まずいな...」

上空から街を見下ろし、小さく呟く。
先程から雨や日照りで天候もバラバラになっていたが徐々に日照りがちになってきた。前々から予測していたとはいえ、古代ポケモンの力がこれ程までだったとは...急いでミクリと合流しなければ。

目的地に向かいつつ、後ろに続く仲間に手はずを伝え先を急ぐ。彼らはホウエンのこの状況に最初は驚いていたが直ぐに落ち着き、僕の計画を聞き入れてくれた。流石、四天王といったところか。

雨が弱まったところで後ろにいたフヨウが余裕そうな顔をしてポケナビをいじり出す。控えめに様子を見ていると何かを確認した彼女は嬉しそうに笑って僕を呼んだ。

「ダイゴくーん!今ポケナビ通じるよ!」

「?」

「連絡、したい相手がいるのでは無いですか?」

プリムがフフ、と笑みを溢すと周りにいた四天王皆がそれぞれ小さく笑い、穏やかな顔をして僕を見た。何だ?首を傾げようとしたところで気が付いた。これだから僕はミクリに鈍いと言われるのだろう、苦笑して皆に許可を得る。

「...皆、すまない」

彼らは少しだけ僕から離れて距離を取った。
どうやら僕の頭に浮かんだ1人の女性のことは、全てお見通しだったらしい。直ぐに通信機を操作し、1番初めに登録してある彼女の名前を表示させてコールボタンを押した。

1コール、2コール...こんなに相手が出るのを待ち遠しく思ったことはない。ドキドキと鳴る心臓を落ち着かせようと息を吸った。

彼女は3コールが終わる頃に応答してくれた。



『...ダイゴ?』




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