ミクリと「え?」と声を合わせて玄関の方を見る。
ドアを開けた本人は腕を組んでそれから少し考え込むようにしてドアに寄りかかり首を傾げる。そして一言。
「もしかして、お邪魔したかな?」
「私がこのタラシとそういう風になると思うの、ダイゴ」
ミクリの手を退け、目の前にいる銀髪の青年をじとーっと見つめると、だよねと言うように肩を竦めて部屋に入ってきた。
ツブワキ ダイゴ。
カナズミシティにあるデボンコーポレーションの社長の息子でこの人こそ、私の幼馴染。
石が大好きで放浪してる癖にホウエンリーグの現チャンピオンなんて本当に謎の多い男だ、と彼を見つめて思っていると、その青い瞳が近づいて来て目と鼻の先に止まった。
「!??」
慌てて顔を背けようとすると、ガシッと頭を掴まれて動けなくなった。
「その傷は何かな?」
ダイゴのその質問と黒い笑顔にハッとなる。
傷が出来た手の甲を見るとミズゴロウが心配そうにその場所を見つめ、時々自分の足をペタペタとくっ付けていた。
「ああ、天使。ミズゴロウ天使」
「ナミちゃん?」
「はい、ごめんなさい!モモンのみ取ってたら枝で引っ掻きました!!」