ミクリ、ルネシティのジムリーダー。
私の幼馴染の友人で、幼馴染の紹介で知り合いルネシティでお世話になっている。ルネシティでブリーダーとして預け屋を出来ているのは彼のお陰だけれど…
「今日もミズゴロウは美しいね」
「おい、人の話聞け」
こうやってノックもせず入ってきて自分の家のように寛いでいるコイツは、とってもうざったらしい。
「僕があげたタマゴはどうなったかな?」
ミクリの言葉に先日貰ったタマゴを思い出した。
“僕のポケモンが持ってたんだ。”そう言って私に差し出してきたタマゴ。ミクリのことだからブリーダーだからすぐに孵せるだろうなんて意地悪してきたんだろう。
「ちゃんとタマゴから孵って手持ちにいますが」
手持ちのポケモンのボールを横目で見ると、その中の1つが小さく揺れる。ミクリはそれを見て満足そうに頷いた。
「そういえば、キミも知っているだろうけど」
ミクリが突然真面目な顔をする。
その顔を見て、ピンときた。
普段はおちゃらけてるけど、ジムリーダーになると顔付きがガラッと変わるから憎めないんだよなぁ。こうして毎朝家に来るのも、幼馴染に変わって私の様子を見にきてくれてるからだし。
「トウカのジムリーダーの事?」
「流石、話が早いね」
助かるよ、と微笑むミクリ。
でもすぐに眉を顰め、辛そうに目を伏せる。
小さく “ 隠してるのにごめんね”と囁いた。
「…いつまでも黙ってるわけにはいかないよ」
「でもキミを巻き込んでまで!」
ガタンと椅子から立ち上がり両肩を掴まれる。
ミクリとの距離が縮まったところで、
ガチャっ
玄関のドアが開かれた。