仲間入りと再会



────………


『入って、幸村くん。』



自室のドアを開くと、彼は黄色いジャージを揺らしながら、入っていった。


私も続いて部屋に入る。



「わかってたんだ?芝居してたって。」



腕を組んだ彼は、とても美しい笑顔でそう言った。



『まぁ、ね。蓮二と雅も分かったんじゃないかな?』


「フフ、もう慣れたかい?」


『フ、分かってるくせに。あれ、一応本音よ?』


「うん、分かってる。」



彼はクスッと笑った後に私を引き寄せた。



「会いたかった。やっと会えた。」


『うん、寂しかった。』



彼の腰に手を回しながら笑う。
久々の彼の体温と匂いに安心していると、耳元で囁かれた。



「キスしていい?」


『ダメって言ってもするんでしょ?幸村部長の言うことは絶対んッ!』


ちゅっ


「……嫌なら本気で拒否しなよ。」



唇を離し、こつんと額をくっつけてそう囁いた彼。

その顔の酷く美しいこと……。やっぱ好きだなぁ。



『嫌じゃないから拒否しないんでしょ。』


「だろうね。」



ちゅっ



『ていうか好きな人からのキスを拒否するとか勿体無い。』


「フフ、なにそれ。」




彼からの軽いキスを何回も受けながら、会話を進めていく。



『待って、精市…』



「待たない。」



だけど、幸村くん上手すぎるんだよね。

その美しい顔で甘い吐息と一緒に名前囁かれたらクラッとしちゃう。話に集中出来ない。


「……可愛い、」


『もう…キスの後にそういうこと言わないでよ。』


「フフ、好きだよ。菜摘。」



駄目だ。
どんどん彼に溺れていってる。


白い肌も、ジャージを肩に掛ける仕草も、テニスをする姿も、蒼くてウェーブのかかった髪も、この美しい顔もキスのときに盗み見る表情も。

全部輝いて見えて、全部にきゅん、としてしまう。





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