「藤咲菜摘です。よろしくお願いします。」
烏森の警護をするために夜行から派遣された私。
現地にいる仲間に秘密にしていったら、マジでビビられました。
「あー、マジでビビったぞ。」
「ごめんね、閃ちゃん。」
HRのときは平然としていた閃ちゃんでも、今は本当にびっくりしているみたい。
「……お前、住むとこは?」
「閃ちゃんの家の近くのアパート借りてもらった。」
「一緒に住めばいーのに。……もう慣れただろ?」
「うん。でも、いいの。」
寂しいけど、
「なんだそれ。」
あたしはやっとみんなに打ち解けたから。
まだ、いいの。
「……たまには遊びに来いよ。」
「うん。」
争いになって、貴方を敵にしたくないから。
まだ、いいの。
「菜摘、」
「うん?」
「寄り道しよーぜ。」
「………うん。」
大好きな貴方をみんなの敵にしたくない。
大好きな貴方を敵にしたくない。