第六回 | ナノ


▽君の、私の赤信号


 昼休みという事もあって、部活棟の端にある吹奏楽部の部室に人気はなく、私と目の前の氷室君しかいない。
「はい、どうぞ」
 話を切り出そうとした私の鼻先に差し出されたココアの缶に、言葉が喉の奥に引っかかった。
 不満を込めて睨み付けた先にいる氷室君は、受け取らないのかと言いたげに首を傾げた。
「いらない」
「1人じゃ2本も飲めませんから、受け取って下さい」
 3年の廊下じゃ落ち着いて話せないから、と言った時に何故か自販機で2本もジュースを買っていたのをぼんやりと見ていた自分が憎い。
 借りなんて作りたくないのに。
「喉、渇いてないから」
「それじゃあ、代わりに持っていて下さい」
 邪魔なら机の上にでも置けばいいだろう。
 そう思ったけれど、これ以上の押し問答を続けるのは馬鹿馬鹿しくなって、黙って受け取る。
 吹奏楽部の使用許可を前もって取っていた訳ではないので、部室の空気はひやりとして肌寒い。氷室君に持たされた缶が、かじかみそうな指先をじわじわとあたためていた。
 気を遣う子なんだな、とぼんやり思う。
 昼休み、昼食を食べ終えて友達と雑談しているところに彼はふらりと現れた。
 冗談じゃない、と部室に逃げる途中にあえなく捕まって同行させたのだ。人通りの多い廊下で女子に人気らしい彼と立ち話なんかしていたら、何を言われるか分かったものではない。
「それで、何の用なの」
 努めて無感情に訊ねる。
「昨日、部活に応援しに来てくれましたよね」
 声をかけられた時点で、十中八九、その話だろうとは思っていた。代わりに渡してちょうだい、と頼んできたチキンな友達が恨めしい。
「あれ、私じゃないの。友達に頼まれて渡して……手紙、入ってなかった?」
「ああ、成る程。おかしいと思ったんです」
 怒るかな、と思っていた氷室君は、意外にも苦笑しただけで拍子抜けしてしまう。
「だって、先輩、俺に興味ないでしょう」
「ないね、全く」
 身長が大きくなく、その上、童顔の私は他人に可愛いという印象を抱かせる事が多いらしい。しかし、人の事をろくに知りもしない癖にあれこれ言われるのは面倒なので、さっさとがっかりして貰おうと正直に答える。
「ああ、分かっていても胸に突き刺さる台詞ですね」
 表情こそ笑っていたものの、目は笑っていなくて、私はこの人を傷付けたのだと実感した。
 この手の反応をされるのは慣れているけれど、気分が良くはない。
「でも、別に氷室君が嫌いな訳じゃないよ」
 言ってから、何でフォローみたいなことを口にしてるのか自分でも不思議に思った。
 こういう時、変に気を持たせる事は言わない方がいい。そんな事は今までの経験で分かっているのに。
 友達の好きな人を傷付けたくない、とか殊勝な事でも無意識に考えたのだろうか。
「そもそも、私はあなたの事をよく知らないから」
 返事のない氷室君を見ると、黙ってブラックコーヒーを飲んでいた。
「でも、そんなのお互い様だと思うの。私が知らないように、氷室君も私を知らない」
 だから、そんな相手に付き纏われるのは迷惑なの。
 そう無情に続けるのは何となく躊躇われて、手持無沙汰で持っていたココアの缶を開け、口をつける。
 ほんの少しぬるくなっていたけれど、甘くて美味しい。
「……珈琲は苦くて嫌いで、ココアは甘くて好き」
 ぽつりと呟かれた言葉に視線を向ける。
「たまたま選んだ訳じゃないですよ」
 そう、少し誇らしげに氷室君が言った。
 3年の自販機にはココアがないから、たまに2年の自販機に友達と来る事があった。それを見かけた事があるのかもしれない。
 私にとって通行人でしかない人の中に、今は氷室君と一人の人間として認識している彼がいたのかもしれない。
「私が珈琲を飲めない事なんて、友達はみんな知ってる」
 わざと可愛くない答え方をした私に、氷室君は楽しそうに笑った。
「じゃあ、僕も知らない人から友達に格上げですか?」
「……何か友達って言うよりストーカーっぽい」
「うわ、また刺さりました」
「冗談」
 だけど、私がどの飲み物よりもココアを好きだって事を彼は知らないんだろう。
 確かによく買うけど、いつも買っている訳じゃない。飽きないようにローテーションを回して、たまに訪れるココアの日を楽しみにしているのだ。
「苗字先輩の冗談ってそう聞こえませんよ。真顔で言うから」
「笑って貰おうと思ってないからね」
「それってもはや冗談じゃないですよね」
 友達はこの子のどこが好きなんだろう。
 ここ半年くらい、氷室君がどうこうという話を毎日のように聞いていた筈なのに好きになった理由を今ひとつ思い出せなかった。
「君のいいところってどこ?」
「え?」
「アピールポイントとか」
「急にそんな事を聞かれても……」
「長所のひとつもないのに、私が氷室君に興味を持つ訳ないんじゃないかな」
「手厳しいですね。ちょっと待って下さい、今、考えますから」
 真剣に悩み始めた氷室君を眺め、とりあえず容姿だろうな、という感想を抱いた。
 どこか淡泊にも見える目鼻立ちは、多分、女子受けが良いだろう。腕や足もしんなりと長い。
 友達の片思いを聞いた他の子達の感想が、面食いだね、だった事からも間違いないだろう。
 別に私に構わなくても性格も外見も可愛らしい子と付き合えそうなのに、不思議だ。
「……人には優しいって言われる事が多い、です」
 1分あまり悩んだ結果、氷室君は自信なさげに答えた。
 あんな質問、呆れてさっさと帰れば良かったのに。
「曖昧過ぎ。優しいって具体的には?」
「さぁ……自覚した事ないですから」
「それ、優柔不断をオブラートに包まれただけじゃないの。むしろ優しいのは周りじゃない?」
「そうですかね」
「氷室君は優しいからねぇ。ほら、これ、ちょっと見下しているニュアンスがない?」
「俺って優柔不断ですか?」
「知らないよ、そんなの」
 空になった珈琲缶を指先で弄びながら、氷室君は私が飲み終わるのを待っていた。
 名前は飲むの遅いよね、って友達は言う。
 待たせるのは悪いな、って思った。
「……先に言うけど、私、アピールポイントなんてないから」
 偉そうに訊いておいてなんだが、私は彼に興味を持って欲しくないからいいのだ。逆に減点ポイントならいくらでもあげられると思うけど。
「そうですか?」
「うん、ないね」
「俺はそう思いませんけど」
「氷室君が私に抱いている印象の話はしてない」
「うーん……まぁ、そうですけど。そんな卑下しなくていいんじゃないかと思うんですけど」
「卑下じゃなく事実」
「事実じゃないですよ。先輩がそう思ってるだけ」
「氷室君は私を良く知らないでしょ」
「少し、知ってます」
「少しだけでしょ」
 話していると飲むのが遅くなるから、そこで会話を切った。
 もし氷室君が誰に対してもこんな態度なら、確かに彼は優しい人間だと言える。けれど、万人に向けられる優しさをみんなが望んでいるとは限らない。
 予鈴が鳴った。
「じゃあ」
 ようやく飲み終わった私の缶を取り上げて、氷室君は部室を出て行く。その背中に追い付くと、僅かに目を丸くした。
「戻っていいですよ、教室。缶は俺がゴミ箱に捨てますから」
 別にポイ捨てしたり、捨てずに保管しないか心配で追いかけて来た訳じゃない。そんな事をする人じゃないだろう。
 ただ、忘れものが気になっただけだ。
「ご馳走様。ココア、美味しかった」
「あ、はい。それは良かったです」
 まさか礼を言われると思っていなかったのか、氷室君が少し照れくさそうに笑う。
「……やっぱり、先輩のアピールポイントはたくさんありますよ」
「しつこいな、ないってば」
***
 学校帰りに入ったコンビニに、氷室君の姿があった。回れ右しようとしたけど、その前に気付かれた。
「こんにちは」
「……こんにちは」
 レジに並んでいる彼に近付きながら、ぺこりと頭を下げる。
「氷室君も部活帰り?」
「そうです。先輩も?」
「うん」
 外はもう薄暗い。
 このコンビニは駅と学校の間から少しずれた位置にある為、ちょっとした穴場だった。学校帰りの団体に巻き込まれないのが利点だ。
「今日、会うの2回目だね」
「たまにここで会うんですよ。先輩、いつも肉まん買ってますよね」
「……やっぱりストーカー?」
「違いますって。大体、今日は俺の方が先にいたじゃないですか」
「待ち伏せはストーキングの基本でしょ」
「こんな所で待ち伏せませんよ。……今日はどれです?」
「あ、今日はあんまんの気分」
 硝子ケースを指差され、反射的に答えてしまってから、しまった、と思った。
 レジは既に氷室君の順番で、慌ててスクールバックから財布を取り出した時には会計が終わっていた。
「自分で払うよ」
 憮然と百円玉を差し出したけど、それは受け取って貰えず、代わりに上を向かされた手にほかほかの袋を載せられた。
「いいですよ、これ位」
「昼もココアくれたじゃない」
「じゃあ、今度何か奢って下さい」
 それはまた彼と接点を作らなければならないではないか。
 赤い缶を開けながら隣に並んだ氷室君を睨んだが、彼はそれ以上、何も言わなかった。
 こうなったら最後の手段だ。
 えい、と放り投げた百円玉がネクタイとセーターの隙間へ吸い込まれていった。
 我ながら素晴らしいコントロールだ。
「え、ちょ……!」
「もう払ったから。このあんまんは私が自分のお金で買ったの、そこのところ、間違えないように」
「紅茶噴くかと思いました。いきなりとんでもない事しますね……」
「汚いよ」
 ブレザーの下に着たセーターの裾を氷室君が引っ張ると、ちゃりんとアスファルトに百円玉が落ちた。
 短い溜め息を吐いて、長い指がそれを拾い上げる。
「本当はワイシャツの中を狙いたかったけど、マフラーが邪魔で」
 自分の首元を指差しながら言うと、彼は力なくかぶりを振った。
「……それは止めて下さい、次からはちゃんと手で受け取りますから」
 わざとじゃないが、マイナスイメージを植え付けられたようだ。
 結果オーライ。この調子でどんどんイメージダウンしていこう。
「それにしてもびっくりしました」
「氷室君が強引に奢ろうとするのが悪い」
「いつもこんな感じで断ってるんですか?」
「まさか。これは最終手段」
「最終手段、早過ぎません?」
「面倒だったから」
「そうですか……いきなりとっておきを使って貰えて光栄ですよ、はい……」
 何だか納得のいかない顔だったが、気にしない事にした。
 袋を開けてあんまんを一口食べる。
 あたたかくて美味しい。部活帰りのあんまんは最高だ。
「やっぱり貸し借りない方が美味しいよ」
「貸しを作ったつもりなかったんですけど」
「氷室君にそのつもりがなくても、私は嫌なの」
「そうですか、ごめんなさい」
 頭ひとつ上にある瞳が、ふっと細められる。
「もう無理やり奢らないでよ」
「それはどうでしょうねぇ」
「人の意思を尊重出来ない人は嫌いだよ、私」
「これからは尊重するよ」
 疑いの眼差しを向けると、氷室君が苦笑した。
「尊重したからって好きになる訳じゃないよ。一応言っておくけど」
「分かってます。こう見えて約束は守る方ですよ、俺」
「そういう事を言っちゃう人ほど嘘吐きなんだよ」
 暮れ欠けた空は、オレンジから濃紺へのグラデーションが綺麗だった。歩みが遅い私に合わせて、氷室君が歩調を落とす。
「物腰柔らかそうに見えて、実は強引だよね。氷室君」
「そうでもないですよ」
「自己分析が足りてないよ」
「でも、優柔不断とか言われちゃいました。誰かに」
「私が言った訳じゃないよ」
「チャンスがあったら押すべきだと思うんですよ、男としては」
「チャンスなんてどこにあったの」
「え、それはまあ、苗字先輩の見えないところに」
「もうあのコンビニ行けないや。ストーカー出没地帯だ」
「酷いですね」
 眉根を寄せ、また笑った。
 氷室君は多分、悪い人ではない。
 私が見た目通りの可愛い子じゃなくて、奢って貰っても素直に喜べない可愛げない性格だって。
「氷室君って、いつから私の事を知ってるの?」
「あ。興味出てきました?」
「興味はないけど、どれ位ストーカーなのか調べておかないと危ないじゃない」
「ストーカーではないです」
 苦笑して前置きすると、記憶を掘り返すように明度を下げていく空を見上げた。
「そうですねえ。文化祭の時から、かな」
「けっこう前じゃない」
 うちの文化祭は9月の終わりで、もう5ヶ月ちかく経っている。顔を顰めた私に、そうですね、と帰ってきた。
「先輩のクラスの出し物に顔を出して、その時に」
「覚えてない」
「話したって言っても、全くたいした内容じゃないですから。注文の確認だけ」
「それだけ? でも、それ以外じゃ関わりないよね。私、委員とかは言ってないし」
 例え氷室君がフェチ寄りのストーカーでも、まさか本当にそれだけで好きになるとは思えない。いくら何でもマニアック過ぎるだろう。
 いや、待って。そう言えばあの時の衣装は膝出しのスカートだった。学習塾の先生に、膝小僧が綺麗だね、って撫で回された過去が脳裏に過る。
 ぴたりと足を止め、性の高い氷室君を見上げた。
「どうかしました?」
「氷室君……もしかして、膝とか脛が好きな人?」
「はい?」
「あ、脹脛とか足首の方が好き? ルーズよりハイソでしょう」
「何の話か全く分からないんですけど」
 肯定されたら全速力で走って逃げよう。
 そう緊張して訊ねたが、氷室君は不思議そうな顔でこちらを見下ろしていた。
「君、足フェチだったんだね」
「勝手に人を変態にしないで下さい。しかも、何で足」
「だって、私の足が気に入ったんでしょう」
「誰がそんな事を言ったんですか」
「あの時の衣装、膝出てたし」
「だからって足がどうこうなんて一言も言ってないでしょう。その時の俺も別に何とも思ってませんよ」
「……そう言えば言ってないね」
「俺は至ってノーマルですから。変な噂を流さないで下さいよ」
「ごめん、勘違いだった」
「頼みますよ、全く」
 怒ったと言うよりは呆れた顔だ。
 本当に何しても怒らない子だな、と感慨を抱く。
「足じゃなかったら何が好きなの? 肘?」
「……」
 そう言えば腕も出してたな、なんて思い出して聞くと、氷室君はちらっと私を見て、深い溜め息を吐いた。それから、内緒、と呟く。
「苗字先輩は何を考えてるか分からないところが面白いですよね」
「面白くないよ」
 あんまんの最後のひとかけらを口に放り込んで、畳んだ袋を鞄のポケットにしまい込む。
「自販機の前で、5分くらい何飲むか悩んだり」
「何でそんな事知ってるの。この子、怖い」
 やっぱりストーカーなんじゃないか。
 疑いの眼差しを向ける私に、たまたま、と答えが返る。
「教室の窓から中庭の自販機のあたりが見えるから」
「嫌だ……いつ何を買ったか、覚えられてそう……」
「覚えてないですよ。俺を何だと思ってるんですか」
「だって、ココア好きって知ってたし。わざわざ統計とったの?」
「それは偶然。友達と話してるのが聞こえて」
 確かに、ココアばっかりじゃなくて珈琲飲めるように練習したら、ってたまに言われる。
 それで、ふと思い出す。
 この子は友達の好きな人。それを忘れちゃ駄目だ。
 悪い子じゃない、親切にしてくれる、でも、必要以上に関わったらいけない相手。
「甘いのが好きなら、カフェモカとか良いんじゃないですか」
 全くを使わず、ありのまま話せる。それを、楽しいなんて思っちゃ駄目だ。
「氷室君、今日も差し入れ貰った?」
「え?」
 前置きなしに切り替わった会話に、氷室君がぱちぱちと瞬きを繰り返した。
「たくさん貰ってそうだよね」
 返事はなかった。多分、それは実際その通りだからで、私にどう答えればいいか考えている。
 私の友達以外にも、同じような子はたくさんいるんだろう。
「本当に欲しかった物は、ぬか喜びでしたけどね」
 溜め息を一つ、こぼした。
 同情を引く為に言ったというより、過ぎた事実を淡々と述べただけ。そんな口調だった。
「友達が、氷室君の事を好きなの」
「……」
「どうしてか、私には分からないけど、凄く好きみたいで」
 見下ろす視線が、意図を探して彷徨う。
 氷室君は私の言葉を遮ったりしない。まだ知り合って間もないけど、何となく分かっていた。この子は、きちんと最後まで聞いてくれる。
「友達を泣かせたくないの、私」
 こんな事を言ったら彼は傷付くだろうと思った。だから、あえて言った。
「その友達と付き合えとか、言いませんよね。さすがに」
 氷室君が冗談みたいに訊ねる。でも、声の調子は変わらないのにどこか張りつめて聞こえた。
「そうなったら友達は喜ぶと思うけど、でも、氷室君には勿体ないから駄目」
 唇の端を上げて、笑顔を作った。
 怒って、呆れて、うんざりして、私みたいな女には付き合っていられないと思えばいい。
「とっても優しい子だから、氷室君よりいい人が見付けられると思うから。本当に、凄くいい子なの」
 私は自分がどれだけ酷い人間なのか知っているし、おそらくその自己評価は正しい。
 この会話のせいで友達の片思いが破れてもいいと思っている。私みたいな女を好きになってしまうような男が、あの子を幸せに出来ると思えない。
 また、私みたいな女に好きな男を取られても、きっと笑うのだ。仕方ないって、泣き腫らした目で。そういう子なのだ。
 だから、あんな思いはもう二度として欲しくない。
「苗字先輩にとってすごく大切な友達なんだ、その子」
 いつの間にか私の足は止まっていた。
 何か言わなくちゃいけないと思うのに、喉が震えてうまく声が出ない。視界がぼんやりと滲んでいく。
 人肌の残るマフラーが、頭の上に被せられた。
「……氷室君の、百倍くらい、大事」
「百分の一。思ったより大きくなりましたね、俺」
 苦笑しながら、少し躊躇うような手つきで氷室君の手が私の頭を撫でる。腕を持ち上げる気力も湧かなくて、頬をこぼれる涙を拭えなかった。
「好きです」
 ぽつりと起こされた声に肩が強張った。
 そんな私を見て、ごめんなさい、と優しい声が続く。
 友達とは違う、でも、あたたかい手のひら。
 傷ついた目をする癖に彼は私を責めなかった。
 だから、氷室君を振りきれない。私の足は縫い付けられたように動かなかった。

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