取り敢えず行こうか

うん、準備はできた。いつでも行けるよ。そっちはどう……ってあれ?何で固まってるの?大丈夫だって、確かに心配がないとは言えないけど、末崎さんもいるし、それに板倉さんも力を貸してくれるって。
え、そうじゃなくて?


…ああ!住む場所とかは大丈夫!それも全部、あっちで準備してくれたって。本当、用意がいいよな。何だかんだ言って、俺たちってまだまだ餓鬼だし。こういことはどうにもならないから。
え、そうじゃない?



「零、夢とかないの?」って、何突然。


……そうだな、それはやっぱり、早く標に追いつくこと…ってそれが目標じゃ駄目か。標と決着を着ける。そして、二人で在全を倒すんだ。まあ、結局はあいつを倒して、苦しんでいる人達を助けたいってことなんだけど。一緒に闘ってきたんだ、分かるだろ、あいつ等の非道。許しておけない、絶対。
…というより、なんかそれ今更じゃないないか?




それは結果論?
そうかな?そんなこと言われたら、イマイチ俺にもよく分からないよ。


後悔なんてしてないさ!
俺が望んだことだよ。嘘じゃない、本当に。きっと、こうすることが運命だったのかも、なんて。






うん、そうだな。俺、優秀だし。可能性なんていくらでもあったと思うよ。だけど、そんなのあってないようなもんさ。俺じゃなくてもいいんだから。
……いや、別に勉強が嫌いだったわけじゃないけど…、うん、いや、これが俺の選んだ道だから。そもそも、後悔なんて選択肢は初めからないよ。


うーん…似合ってるかは分からないけど、ま、そのうちさまになるさ、きっと!


幸せ?
うん、そうだね。本当のこと言うと、君が付いて来てくれるってだけで、俺にとっては幸せすぎるくらいだ。
後戻りはできないよ。本当にいいの?後悔してな……って、悪い悪い!分かったよ!俺も同じなんだよ!心配なんだって!







…何言ってんだか。
俺どころか、名前の方がよっぽど輝いてたよ。

あ、今もか。


ん?なんでもないよ。
それよりほら、そろそろ行かないと。またあの二人喧嘩してるかもしれないし。

あははっ!そうだね、その時はどうしようか…二人で泣いてみる?吃驚するぜ、きっと。





枝を切り落とす。

もう、戻れない。
、それでもいいか。



「それじゃ、取り敢えず行こうか」



さようなら、愛した自分






20111223








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