何故こうなったし?


「俺が守ってやるからさ」
「ありがとう、銀河!」


「「………。」」









そんなバカなあああぁー!!!
「あーまー…ドンマイ?」

私達は今、WBBA主催のサバイバルバトルに来ている。幼馴染みでもある銀河と氷魔も出場するようで、私も村から飛び出してきたわけで?わーたくさんバトれるーと思ったら?この変態が?なんか騒ぎだして?こんな状態?

ふーん、へー、そおー。

さらには、ガチで私に泣きついて来て涙目でくっついたままパラシュートって、ちょ、こいつどんだけだよ。銀河かなりビビってたろ。てか、せっかく来たのに何で恋愛相談もどきな空気になってるんだよ。乙女かこいつ、乙女座に謝れよ。

銀河の、さりげないまどかちゃんへの発言が、氷魔の心を深く傷つけました。

はい、おしまい。


「なんでですかね…」


終わんねーのかよふざけんなよおお!!!
こいつ何なんだし、ベイしろよベイ。

「銀河…僕というものがありながら……なんでッッ!!」
「…いやーお前がきっとうざいからだよー」

え、それマジで言ってるの?本当に?驚きすぎて一瞬引いちゃったじゃないか。こっわ。

「そんな…慰めないでください」
「してねーよ」

この水色テンパ、お前只でさえ銀河中毒なんだから、あんまりふざけたこと言うなよ。ふざけんなよ、何で木の上で体育座りで落ち込んでんだよ。一周回って面白くなってきちゃったじゃないか。悔しいわ、許せん。

「僕はずっと…普通に銀河を見続けているのに!!」
「私は早くアンタに普通って言葉を辞書で引いてほしいのに」
「こんなに愛してるのに!!」
「百歩譲っても片恋って言いたくないのに」
「昔は、銀ちゃ〜ん。氷ちゃ〜んの仲だったのに!!」
「私は昔からアンタのこと引いてたのに」


「「なんで気づいてくれない(んですか)」」


「「……。」」


「愛の試練ですかね」
「絶対違うと思うな」


「「……。」」


「ハハ…僕の気持ちを分かってくれるのは、名前だけですよ」
「全力で否定したい。そしてさっきから何の間なのこれ」


そんな切なそうに言れると、逆に泣きたいんですけど。ああ、私は何故こいつをまともな人間にしてやれなかった。何故、氷山の氷魔物の魔にしてしまったし。

でも、まあ、…うん。

「まあ、氷魔。君は…うん、頑張ってるしさー…うん、きっと銀河と分かり合えるよ、うん。拳的な…?うん、まあ、うん」


なんか銀河がいつか折れる気がしてならない。怖いなそれ。てか早くベイしたいしさ、降りよう?べ、別にアンタのためじゃないんだからね!的な感じですね、分かります。自分のためだから、マジで。

「名前〜…」

折角村から出てきたのに、このまま氷魔の恋バナに付き合わされて大会が終わるのは非常に困る。てか今恋バナって言っちゃったけど違うよ、認めたくない、恋バナって概念に謝らざるを得ない。誠に申し訳ない。
何やら氷魔が隣で言っているが、最早耳には入ってこなかった。それよりも島内に響くブレーダーDJの放送が気になって仕様がない。これそろそろ参加しないとまずいでしょ。嫌だよ、結構既に脱落者出てるよ?


「元気出して氷魔!さ、(私のために)下に降りよう?」


ゆっくりと木から降りようとした


「うわーん!!名前大好きですー!!!」
「うっっわ引っ付くな変態!!って落ちる落ちるー!!!!」


下にはなんと、


「「お前ら何してんだ?!」」
「うわあああ!!退いてキョウヤア!!ヒカルウウウ!!」
「銀河愛してまーす!!」
「うぜええええ!!!!」


何故こうなったし?


拝啓
この島のどこかにいる銀河へ。
このバカ早く迎えに来い。


2010-2011








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