そろそろ信じてくれたって




「ねえ」


反応を示さない後ろ姿。
毎度のことながら、切ない。無視してるわけではないらしいと気付いたのは、つい最近だ。いろいろ考えた結果、彼は極端に関心があるものと、そうでないものに別れているんだろうと結論。


止まることのない足を見て、小さく溜息を溢した。



「竜牙」



あ、やっと振り向いた。


同じだ同じ。何回目かは忘れた。
仏頂面でゆっくり振り向いたと思ったら、目が合った瞬間のこの驚き様。目を見開く程度ではあるけど、彼にとってはそれさえも珍しい。

というか、いい加減慣れてくれないかなあ。




(貴方の側には、私がいますよ)




2011****








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