「………虎乃中学…か。ちょうど良い。下僕が欲しかった所だ」
最後に彼が赤司。
まさにその雰囲気は帝王そのものである。
翌朝。
いつもの様に紅葉通りを通り、特別講習のため学校へ向かっていた。
ただ、この日いつもと違い、体育館へ繋がる階段の元に少年が数人集まっていた。
大人顔負けの空気で、周囲を近寄せようとはしない。
触らぬ少年に祟りなし。
何もしらぬ顔で通りすぎようとした。
「桜水遥」
赤髪の少年に名前を呼ばれ、立ち止まった。
彼は確か、昨日の体育館から出てきたチーム…にいたような気がする。
まさか昨日のネタを揺すりに来たのだろうか。
『……私に何かご用でしょうか?』
「ご用も何も、君は今日から帝光中学の生徒だよ」
赤髪の少年は私に、手に収まる大きさの物を投げた。
それは"帝光中学校"と書かれた生徒手帳だった。
「生徒というより下僕と言うべきかな。今日からよろしく。下僕」
『…………はい?!』
こうして私は帝光中学へ転校し、バスケ部マネージャーという名の下僕となった。
END.
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