負け犬の遠吠えのように、ゴチャゴチャ言いながら彼は去っていった。


『巻き込んじゃってゴメンね。お礼にジュースでも奢るよ』


おとなしくしていた少年に感謝だ。

少年はキレイな顔立ちをしている。
きっと同世代の子や周囲の人にモテるのだろう。


「奇遇だな」

『え?』

「オレも年上がタイプだ」

『は?はぁ…』

「付き合ってやる」


携帯と免許証を出すよう言われて渡した。
少年は携帯のアドレスを登録しているようだ。
使い慣れた様は流行りに敏感な女子高生さながらだ。

入力が終わり携帯を返してもらった。
画面には先程登録したアドレスが表示されていた。


『赤司…征十郎くん?』


若い子にしては何とも珍しい名前だ。


「帝光中学校2年、男子バスケ部主将」

『あ、だからこんな時間に帰ってるんだ』

「今日からお前はオレの女だ。遥」


―10歳年下の彼氏が出来ました―





END.


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