『ハァ―――……』


1LDKの部屋に帰宅しての第一声はため息だった。


今日一番の疲れは、黄瀬君の訪問を断った事だ。
精神的ダメージがハンパない。

断り続けるのも悪いし、掃除と片付けをして一度呼んだ方がいいだろう。


善は急げ。
いや、思い立ったが吉日。

今から掃除大会をはじめようではないか。


「まずは……………えー……ゴミを集めようか」


黒いゴミ袋(大)を片手にナイロン系のゴミを集めはじめた。


=ピンポーン…=


チャイムが響いたため、始まったばかりの片付けを中断した。

現在の時刻は16時前。
宅配に心当たりはないので、誰か尋ねてきたのだろうか。

ゴミ袋を片手に持ったまま玄関の扉を開けた。


『はーい、どなたでしょう…か…』


そこには赤司君をはじめとするキセキのメンツが勢揃いしていた。

桃ちゃんはどうしたと考える暇もなく勢いよく扉を閉めようとした。
しかしセールスマン常用手段の靴挟みをされて、閉めたくても閉めれない。


「予想通りなのだよ」


さすが緑間君。
早々に閉める事を考えた上での素早い反応。
心からの拍手を捧げるとともに、金属バットを振りたい気分だ。


「おいおい。力でオレに……勝てれると思ってんのか?」


後半悪徳取り立て屋の如くどす黒い声色な青峰君は、扉の向こうで引っ張っている。
さすが日々筋トレしているだけあり、引っ張りっこは余裕のようだ。

扉が悲鳴を上げているがココで諦めわけにはいかない。


『お帰り下さいお帰り下さいお帰り下さい――!!!』

「緑間、青峰。女相手に力任せはやめろ」


鶴の一声ならぬ赤司の一声により扉は勢いよく閉まった。

帝王にしてはなんて紳士な対応だと関心し、チェーンをはめようとする。
ところがどっこい。


「敦、チェーンソー持って来い。こじ開けてやる」


『あんたはジェイソンか!!!…………あ;』


せっかく閉まった扉を自ら開けてしまった。

正面にいた赤司は笑みを浮かべている。
"お見通しだよ"と言わんばかりの目がムカつく。




「お邪魔します」


数秒のうちに遥をすり抜けた黒子は玄関口で靴を脱ごうとしていた。

止めようと黒子君に手を伸ばそうとしたが、背後から黄瀬君に羽交い締めにされる。


「遥っちが悪いんスよ。何度もお願いしたのに、ダメしか言ってくれないから」

『ご、ごめんなさい…でも今日だけは本っ当にやめて!!』

「ダーメ。遥っちのプライベート…全部見せてほしいッス」


先陣をきっていた黒子は室内へ繋がる扉を開いた。


『ぁ゛――!!!やめて!開けちゃダメ!!』

「……………赤司君……とりあえず3段ボックス買ってきた方がいいと思います」


全員家に入り、室内を覗いた。


「………下僕、この散乱を説明しろ」


帝王でなく悪魔でなく、魔王と表現するのが一番いいかもしれない。




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