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44 逢瀬


延べられた床に名前を横たえ首筋に顔を埋め、唇で触れていく。一頻りそうして顔を上げ名前を見つめれば目の端を染めながら潤んだ瞳で見つめ返した。
結い上げた髪に挿された青い簪をそっと抜き取る。これから己が乱してしまう髪に簪を挿したままでは、名前に傷をつけてしまうと思ったからだ。
腕を伸ばし枕元に置く。片腕を背に回し着物の帯を片手で解いていくと、しゅると鳴る絹の音が名前の羞恥を更に煽る。愛撫を加えれば甘く喘ぐ身体が触れ初めは少し恥ずかしげで、その初さが堪らなく愛しい。
本心は着せたままでも抱いてしまいたい程、すぐにもと渇望しているが着物は借り物である。久し振りの名前をゆっくりと丁寧に愛したい気持ちもあった。
斎藤は自身の帯も緩め上半身を肌蹴て、襦袢だけになった名前の胸元を開き、肌に唇を押し当てて所有の印を幾つも刻んでいく。
着物の襟を少し寛げれば見えてしまいそうな位置に与えられる小さな痛みに名前が身動いだ。

「……はじめさん……そこは、」
「名前は俺のものだろう?」
「……はい」

ふっと小さく笑い鎖骨の辺りに散らした花弁を熱い指でなぞる。
恥ずかしげに笑んだ名前の顔横に左手をつき斎藤が右手で髪紐を解くと、少し癖のある長い髪がさらり幾筋も落ちてきて名前の左頬を擽った。胸元もあらわに着崩した肩や首筋に紫黒の髪を纏わせて、見下ろす瞳を深碧に揺らす斎藤は息を飲む程に妖艶で、名前は思わず魅入られる。
薄く開いた唇が降りてきて名前の唇に重なり、何度も口づけては確かめるように瞳を見つめ、角度を変えてはまた重ねる。その度に斎藤の髪が柔らかく名前の頬に触れた。





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MATERIAL: ユリ柩 / FOOL LOVERS

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