FILE.9
「ー犯人は他殺に見せたかったんですよ…それも、ヨーコさんに殺されたようにね…」
「た、他殺に…ま、まさか!?」
「ーそうです。犯人は…死んでいた藤江さん本人です!!」
「じ、自殺!?バ、バカな…自分の背中に包丁が刺せるわけが…」
「ーそれが彼の狙い目ですよ…背中に包丁が刺さっていれば自殺には見えませんからね…だが、氷を使った簡単なトリックで…それも可能となる!!思い出してください…高温に設定された部屋の温度と床に残った水の跡…そして荒らされた部屋の中で死体の足元のイスだけ立っていたことを…おそらく藤江さんは氷に穴を空け包丁を立て、イスの上からそれにめがけて背中から飛びおりた…部屋の温度が上げてあったのはこの時飛び散った氷を溶かすためだったんですよ…その証拠に死体のそばの床にその時できたヘコミが残っています」

よくおじさんの口調ででそんなに長いセリフいえるわねー…
あたしなら絶対に無理だわ
長い推理を聞いておじさん(新一)のいうヘコミを目暮警部が見つけた

「ーでも、藤江さんはヨーコさんを犯人に仕立て上げるために策を弄しすぎた…」
「髪の毛か!?」
「ーそう…彼女の髪の毛をにぎって飛びおりたんです…それを最初に発見した山岸さんはヨーコさんが殺してしまったと思い込みとっさに隠した…」
「山岸さん…」
「す、すまんヨーコ…オレはてっきり…」

山岸さんは沖野さんを犯人だと思って髪の毛を抜気取ったのだ
そのことを山岸さんは沖野さんに謝罪した

「ーまあ、ヨーコさんの髪の毛を取ったクシか何かから藤江さんの指紋が出れば…わたしの推理は証明できるでしょう…」
「でも、どーして藤江君がそんなこと…」
「ーそれはたぶん…彼がまだ…あなたを愛していたからですよ…」
「な…」
「ー見知らぬ男の出現に驚いたゆう子さんは大声を出して抵抗し逃げた…でも、それをヨーコさんだと思っている彼は彼女のそんな態度を見て愕然とした…追い詰められた愛情が絶望と憎しみにかわりおそらく…」

沖野さんは藤江さんが自分をふったのに何故そんなことをするのか疑問に思っていたが藤江さんは山岸さんに頼まれたことを知る
そして―…
被害者の日記が彼の自宅から発見された


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