「警部!!被害者の身元がわれました!!」
「おお、そうか!!」
「藤江明義22歳…港南高校卒業後、角紅商事に勤務…現在はその会社を辞めて…」
部屋に入って来た警察官によって被害者の身元が明らかになっていく中、おじさんが口を挟んだ
「港南高校?」
「港南高校といえば、確かヨーコさんが通ってた高校も…」
「ぐ、偶然ですよ…なあ、ヨーコ?」
「…」
少し動揺しながら聞く山岸さんに沖野さんは黙りこんでいる
「そうだよな?」
「わ、わたし…その人知ってます!!!」
「なに!?」
「ヨーコ?」
「し、知ってるどころか…その人は…高校時代つき合っていたわたしの彼氏です!!」
「なっ…」
「にぃ!?」
黙っている沖野さんに同意を求める山岸さんだが沖野さんは何かを決意したように被害者との関係をいった
「ヨーコ!?」
「ご、ごめんなさい。山岸さんっ!!でも…わたしには隠しとおせません!!」
「ま、まさか君は昔の男関係を精算するために殺した…」
「そ、そんなことしてません!!それに彼の方なんです…わたしをふったのは…なのに、わたしがアイドルで有名になったらヨリを戻そうってしつこくいい寄ってきて…だから、彼から逃げるためにこのマンションに引っ越したんです…死体の顔を見た時はっきり彼だとわかりましたが…彼のことはマネージャーの山岸さんに口止めされていたので…つい…でも、なぜ彼がここで殺されていたかはわたしには…」
「ヨーコ…」
「教えてください!!彼を殺したのはいったい、誰なんですか!?」
「だ、誰っていわれても…」
誰!?
いったい犯人は誰なのよ!?
「やっぱり、池沢ゆう子が抵抗した時に勢い余って殺したのかしら?」
「いや…沖野ヨーコにも動機がありそうだ…」
「じゃあ、マネージャーが死体の指から髪の毛を抜き取ったのは何のためなの?」
「くそー。まだ推理するには何か足りねー…何だ!?何が足りねーんだ!?」
「「!?」」
「こ、このヘコミは…!?」
まって…確か部屋は荒れてるのに死体の足元のあのイスだけは立ってたわ!
それに暑すぎるこの部屋の温度と、死体のまわりの床に残った水の跡…
そして、死体の指には髪の毛が…
「「!?」」
なるほど、わかったわ!!パズルは、解けた!!!
でも、早くあのバカ探偵に教えないと…
「フッフッフ…今度こそ…今度こそ…わかったぞ!!犯人は…」
→あとがき