FILE.6
「あら、おかえり。柚香ちゃん、コナン君…」

無理ね、
このおじさんに名探偵なんて…
探偵事務所に帰ってきていびきをかきながら寝ているおじさんを見てあたしはそう思った

「おなか空いたでしょ?今、作るからね!」
「ふあ?わわわ…!!」
「「?」」
「ヨーコちゃーん!!」

…絶対に無理だわ
突然アラームが鳴って慌てだしたからどうしたのかと思ったら、おじさんはテレビをつけて“沖野ヨーコ”が出てる番組を見始める

ピンポーン

「ん?誰だ、この忙しい時に…」

…忙しいって、テレビ見てるだけじゃない
そんな時にチャイムの音が聞こえておじさんはイライラしてるみたい

「ハイ。毛利探偵事務所ですが…」
「ちょ、ちょっとご相談したいことが…」
「あー。ダメダメ、今日は閉店だ!!仕事の依頼なら、また明日…出直して…」

このまましょうもない理由で仕事の依頼を断るのかと思ったらすごい勢いで振り返って…

「!?あ…あ…あなた…ま、まさか…沖野ヨーコ!?」
「は、はい…」

驚いたように叫んだ
アイドルが仕事の依頼にきたってすごいわね

「だ、だって、今テレビに…え?」
「あれは録画です…」
「ア、アイドルがどうしてウチに…?」
「だから、仕事の依頼に…」
「い、依頼…」

…蘭とおじさんすごい動揺してる
おじさんに至ってはすごい勢いで洗面所に走ってくし

「「「…」」」
「何かお困りのようですな。お嬢さん…」
「は、はい…」

誰、貴方…
沖野さん、ドン引きしてるわよ
洗面所からものすごい音がして見守る中、身なりを整え出てきたおじさんは何故かバラを持ちながら格好をつけていた


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