FILE.3
「では、誘拐された時の状況を詳しく話してください…」
「ハ、ハイ。あれは、学校から帰られたお嬢様が庭で遊んでおられた時でした…突然、隅から黒ずくめの男が現れて…“この家の主人に伝えろ!!娘を返してほしければ、1ヶ月間、会社を閉鎖しろとな!!もちろん、絶対知らせるなよ!!”そういい残すと、犯人はあそこの木に登って外に…」
「ウーム…」
「で?その男の声の特徴は?」

誘拐された状況を聞いておじさんが考えていると新一が口を挟んだ

「た、高かったような低かったような…?」
「うーん、あまりはっきりしませんねー…」

新一に聞かれた麻生さんは戸惑いながらも答えるけど不思議そうにしている
そりゃあ驚くわよね…
さっきといい子どもに聞かれるんだから
おじさん今度は殴るんだろうな…

「こ、こいつ…」
「てー…」

それを黙って見てたおじさんは案の定、新一を殴った

「大丈夫?」
「オメー気づいてただろ」
「ふふっ、まーね」
「にゃろ」

頭殴られて不機嫌そうにしてる新一をよそにおじさんは近くにいるお手伝いさん達にも質問する

「君達は、何も聞いてないんですか?犯人の声とか…」
「私達がかけつけたのは悲鳴が聴こえた10後ぐらいでしたが、その時は麻生さんが…“お嬢様がさらわれた!!わたしは犯人のあとを追う!!おまえ達はだんな様に連絡を!!”と、叫んでいる以外は何も…静かなものでした…」
「くそー。犯人を見たのも声を聞いたのもあのジイさんだけか…」

どうやら犯人の姿を見たのは現在、依頼人に怒られている気の弱そうなおじいさん1人だけみたいだった


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bkm
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