「フフフ…計画は完璧だったのに、みんな死んじゃったわ…運転技術をかって雇った広田さんも…腕っぷしを見込んで仲間に入れた彼も…そ、そして子の私も組織の手にかかって…」
「組織…?」
「謎に包まれた大きな組織よ…ま、末端の私にわかっているのは、組織のカラーがブラックってことだけ…」
「「ブラック!?」」
「そ、そうよ…組織の奴らが好んで着るのよ…カ、カラスの様な黒い服をね…折角だからこれも教えといてあげる…奴らが雇う情報を握るものがいるわ…敵味方関係なく金をもらえばなんでも調べてくれる。彼は組織でも異質な存在、彼なら組織のことなんでも知ってるわ…」
「じょ、情報屋…?」
ま、まさか!!黒ずくめの男のこと!?
そ、それに彼女のいい方からすると彼女も黒ずくめの男のいる組織の仲間だったってことかしら…?
情報屋っていったい…
「!?」
雅美さんのいうことに混乱していると雅美さんがあたしの腕を掴んできた
「さ、最後に私のいうこと…聞いてくれる…?10億の入ったスーツケースは…ホテルのフロントに預けてあるわ…そ、それを…奴らより先に取り戻してほしいの…もう奴らに利用されるのは…ご、ごめんだから…頼んだわよ…小さな探偵さ…た…」
「「…」」
蘭やおじさん、そして蘭が呼んだ警察や救急車が到着したのと雅美さんが亡くなったのはほぼ同時―…
あたしと新一は蘭達が来た後も亡くなった雅美さんの側で、俯いていたのだった…