FILE.15
「オホン…では。あなたも広田健三さん捜しの依頼を受けていた訳ですね…」
「ハイ…でも、私が彼のアパートをつきとめた時にはもうあなた方が…」

…ああ。だからあの時広田さんの住むアパートにいたのね
広田さんと広田さんのお父さんが再会して毛利探偵事務所に帰ろうとした時アパートのそばに彼がいたことを思いだし、それを聞いて納得した

―…

「ありがとうございました、探偵さん!!」
「広田さん…もう娘さんを悲しませちゃいけませんよ…」

―…

「会話の内容からあなたも私と同じ依頼を受けた探偵だということはわかったんですが…ちょっとおかしなことが…」
「ぷ…」
「ありまして…」
「ククク…>ダハハハ…おかしいのはあんたの顔だー!!」

おじさん…いくらなんでも笑いすぎでしょ
体に似合わず女の子みたいな目をしている探偵をバカにした様に笑ったおじさんは蘭にボコボコに殴られて頭の上にはたんこぶが6つぐらいできていた

「その、おかしなこととは…?」

まったく…

「私が広田さん捜しの依頼を受けたのはこの人なんですが…この人はその時確かにこういったんですよ…九州を出て東京に行ってしまった兄を…たった1人の肉親である兄を捜してくれと…」
「たった1人の肉親って…広田さんは、娘の雅美さん以外に身寄りはいないハズじゃあ…」

だんだんつじつまが合わなくなってきたわね…
広田さんがおじさんにした依頼はたった1人の身寄りである父を捜してほしいという依頼で、サングラスの探偵にした依頼はたった1人の肉親である兄を捜してほしいという依頼、どう考えてもおかしいのは一目瞭然だ


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