FILE.13
「ん?」

そうだ!蘭に付けてこれの性能試してみっか!!

「どうぞ…」
「うわわっ」
「?」

1人で何してるんだろ、博士に貰ったメカを試そうとしてるのかしら
新一が蘭に近づいて何かをしようとしていたのはわかったまではよかったがストーブのコンセントのコードに引っかかって転びそうになっていた

またしてもこのガキ…

「ハハハ…」

あれ?発信器がない…
やべ…あんなトコに…
博士にもらった追跡メガネを蘭で試そうと近づいたら誤って依頼人にぶつかり、終いには彼女の時計にシールがついてしまったのに気づいて焦っているとそこに水滴が落ちる

「へ?」
「小さい頃に母を亡くして…父はたった1人の身寄りなんです…もし、父の身に何かあったら私…わたし…う…うっ…」
「「「「…」」」」

広田さん…

案の定、新一がソファーに転んで広田さんにぶつかった後泣きながら話し出した様子から見ると、広田さんが広田さんのお父さんをどれほど心配しているのが伝わってくる

「大丈夫よ、雅美さん!!うちのお父さん名探偵だもん!きっと見つかるよ!!」
「…」

おじさんが名探偵かどうかは敢えて突っ込まないけど見つかるといいわね
出掛けたっきり、もう二度と還って来なくなるのは…辛すぎるもの
なんともいえない空気になり、蘭が励ますがあたしは声をかけることはできず俯いてしまった


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