月子は悩んでいた。他人から見れば大したことなどないのだろうが、月子にとっては一大事なのだ。小さく溜息を吐いて、眼前の机の上に鎮座した、雪のように白いプリントを見つめる。紙には好きなように書きなさい、と書かれているが、一体全体何を書けというのか。差出人がなんとなく分かってしまっているだけにたちが悪い。(こうなれば自棄よ!自棄!)脳裏に過ぎった相手の勝ち誇った顔が殊更腹立たしかったので、意趣返しでもしてやろうかと、月子は殴る様に書きはじめた。





Q.わたしの好きな人は部屋の片付けをしてくれません。わたしが片付けてもすぐにまためちゃくちゃにします。どうしたら改善されるでしょうか。
それと、わたしの好きな人は愛情表現が苦手みたいらしいんですが、どうしたらいいんでしょうか。





A.部屋の片付けに関してなんだが、あれは合理的に山積みにされているだけであって、決して散らかしているわけじゃない。この前、どこに何が置いてあるか分からなかったじゃないかという意見についてはノーコメントだ。あれはたまたまだ、たまたま。それにお前が片付けに来てくれるのを割と楽しみにしていることに気付いてくれると、個人的に嬉しい。
それと愛情が分かりにくいということについてだが、お前の顔を一日見ないだけで不安定になる程度には好意を持っているようだ。それについては色々話し合う必要があるので、いますぐ保健室に来なさい。







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