∴春:孟花.宇宙ラジオ
吹き付ける風に舞い散る花弁、きみの横顔、定まらぬ視界の先。まだその眸に触れることは赦されるのか。

夏:ぬい月.タワー
剥がれゆく鱗の裏に隠された秘密、鼓膜を犯しつづける夏の音にわたしはただ身を委ねることしか出来ない。

∴秋:デンジ.浅いポケット
揃わぬ足取りが奏でるワルツに零れ落ちる軽やかな音。遠ざかりそうになる面影を掴もうと手を伸ばした。

∴冬:土千.ひとひらの
宵の褪めた彩りの中、幼心に描いた祈りの続きを希う。またいつか訪れる雪解けの先を想いながら。


?:フロウフロウ
そうして季節は巡る。そこにきみがいなくとも。なくした季節をひとつ、ひとつと数えてみてわたしは漸く知るのだ。失ったものよりも遥かにこの掌に残ったもののほうが多いことを。





一周年ありがとう。
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