闇夜のための歌



Twitter(@umi_szn)で垂れ流した上官×部下妄想部屋です。青蛇内の設定としては
土方(特殊部隊)×千鶴(特殊部隊or情報部隊)
犬飼(情報部隊)×月子(情報部隊)
藍(狙撃手)×真琴(狙撃手)
です。詳細はまだ決めてません。脈絡がないのはいつものこと。糖度は0に近いです。上官×部下広まれ!がコンセプト。



◎土方×千鶴
◆上官だからという言い訳では聞かない行為をしておいて、それでもまだ彼女の上官でいたい自分に吐き気がした。無鉄砲で周り見ずで、その癖何時でも明るく真面目。馬鹿みたいに溺れている自覚はあったが、それを表に出すことすら出来ない。頼むから守らせてくれ、口にするのは何時だろうか

◆あなたに土方教官の何が分かるのッ!思わず叫んだ声は涙で少しだけ湿っていたのに気付いた人間はいたのか。土方教官は確かに真面目で厳しい。でも千鶴は疎んだことはない。落ち込んでいる時、悲しい時。何時だって慰めてくれるのは土方教官だった。だから千鶴は知っている。どんなに土方教官が優しくて、それを表に出せない不器用なひとなのかということを。それを分かってもいない人間が土方を責めるな。詰るな。勝手に傷付けるな。あなたに土方教官の何がッ…!そこまで言いかけて言葉は途切れる。もういい、雪村。……ありがとう。頭に乗せられた大きな掌に、ぽろりと涙が零れた。

◆土方教官がわたしに甘いのは、わたしが駄目な部下だからですよ。曲がり角の向こう側から聞こえてきた声に小さく溜息を吐いた。なわけねぇだろうが、馬鹿。使えない駄目な部下ならとっくに見離してる。思わずそう呟きそうになって代わりに瞼を閉じた。あなたに土方教官の何が分かるのッ! そう叫んで泣いたあの時からお前は俺にとってたったひとりの女の子だってのに 。

◆やれるか。そう聞かれてわたしは漸く気付いた。ああ、わたしはずっと土方教官に褒められたかった。このひとの下に付いてから、ずっと。ずっと。ちゃんと成功させて帰ってきたら褒めてくださいね、笑って言えば何時もの不機嫌そうな顔を少しだけ崩して当たり前だろ、馬鹿。頭を撫でる手は優しい。

◎犬飼×月子
◆情報を得るためには手段を選ばない、それが俺達だろ。分からないなら辞めちまえ。周囲の人間が何も言えずに黙っている中で眼前に佇むアイツは、涙声になりながらも辞めませんとはっきり口にした。辞めません、わたし犬飼教官を越えるんだから。だから絶対辞めません。きっとこちらを睨んだ潤んだ瞳には強い光が見て取れた。そうだ、その目が俺は好きなんだ。いい子だ、わしゃわしゃと撫でた髪は触り心地がよい。もうそろそろ上官だからという言い訳も聞かなくなって気がして、そっと溜息を吐いた 。

◆遠くも近くもない席からそっと直属教官の姿を盗み見る。眼鏡の奥の瞳は真剣で、かっこいいなあとかわたしの集めてきた情報は役に立ったかなあとか取り留めもないことを考える。役に立ったなら、嬉しい。そう思った時に夜久、と名前を呼ばれるものだから正直焦った。褒めてやるからこっちこーい、 間延びした言葉とは裏腹に表情はとても優しかったから。わたしは一目散に駆け出した。

◎藍×真琴
◆初めて人を撃った。彼に出来てわたしに出来ない筈がない、そう思ったのに震えが、涙が、止まらない。馬鹿みたいと思わず零せば、真琴はそれでいいんだよと全弾撃ち尽くしたのにケロッとした表情で頭を撫でられる。よくない。全くよくない。こっちは早くあんたに追い付きたいのよ、気付け馬鹿!

◆スコープから覗く景色は無機質だ。いつからこんな景色が視界に広がるようになったんだったか、それすらもう思い出せない。余計なこと考えて任務失敗したらそれこそ死ぬほど弓弦に怒鳴られるだろうなあ、と考えながら思い出すのは彼女のことだ。今日はまだ一度も会っていない。早く会いたいなあと小さく笑ってから今日も引き金を弾く。

◆振り向かなくていいから。立ち止まらなくていいから。何時だってあんたはわたしの目標でいて。何時か越えてみせるから、だから今はまだわたしの絶対の目標でいて。アイツから譲り受けた銃に祈るように口づけてスコープを覗く。大丈夫、あんたがいなくたってやり遂げてみせるわよ。

◆貸してあげる、血に濡れた力の入らない掌で愛銃を手渡すとアイツは今にも泣きそうな顔になった。貸してあげるよ、真琴。お前ならちゃんと使いこなせる。俺の自慢の部下だもんな。部下って言わない!決まり文句は聞こえなかった。当たり前でしょ、馬鹿。終わったら返すんだから、ちゃんと帰ってきて。
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