目を冷ましたら其処には見知らぬ人が居ました。それは己の愛しい愛しい人に確かにとてもよく似ていましたが、よく似ているだけでその人ではありません。
「あ、あの……」
眠るその人を起こすそうと小さく声を掛けます。呼び掛けに気が付いたのか、その人は微かに瞼を震わせながらゆっくりと静かに静かに目を開けました。
「……ち、さと?」
声も確かに愛しい愛しいあの人にそっくりでした。しかし呼ばれた名前は、自分の名前ではありませんでした。
目を冷ましたら其処には見知らぬ人が居ました。それは己の愛しい愛しい人に確かにとてもよく似ていましたが、よく似ているだけでその人ではありません。
「……おい、」
眠るその人を起こすそうと小さく声を掛けます。呼び掛けに気が付いたのか、その人は微かに瞼を震わせながらゆっくりと静かに静かに目を開けました。
「……としみつ、さん?」
声も確かに愛しい愛しいあの人にそっくりでした。しかし呼ばれた名前は、自分の名前ではありませんでした。
「あの…貴方は誰ですか?」
「おい、誰だお前」
そう言った呼び掛けに、愛しい愛しいあの人によく似たその人は不思議そうに首を傾げたのでした。
090831/有海