う、そ……だよね……?」

偶々気紛れで買った週刊誌。開いたページに踊るゴシック文字。よくある、大人気の俳優と女優の交際報道。何時もなら大して信じもせずにページを捲る筈なのに、今回だけは違った。

何故なら其処に写っていたのが、自分の愛する人であったから。

「嘘ですよ、ね?そう、じさん……!!」









テレビを付ければ始まるニュース。今日は朝から「人気俳優沖田総司、新人女優と熱愛発覚!?」で持ち切りである。携帯電話に何回かお千ちゃんたちから電話があったけれど、今声を聞いたら泣いてしまいそうだったから電源を切った。

総司さんと出会ったのはまだ総司さんが駆け出しの俳優であった頃。私がアルバイトをしていた喫茶店の常連さんだった。最初はただ仲良くさせてもらえるだけで満足していたのに、気付いたらどうしようもなく好きになっていて。総司さんから想いを告げられた時は、幸せで死んでしまうかとそう思った程だった。

それから四年間。総司さんを取り巻く環境は変わっていったけれど、私たちの関係は変わらない……と信じていたのは私だけだったのだろうか。

テレビに映る総司さんとその隣で笑う女優さん。私なんかより何倍も何倍も綺麗で素敵で、嗚呼やっぱり私では駄目だったのだと泣きたくなった。苦しい程に。







不意に画面が騒がしくなった。一体どうしたのだろう、そう思って画面を見つめる。

「沖田さんです!!渦中の沖田さんが現れました!!」

画面の向こうの総司さんはひどく疲れているように見えた。

「沖田さん、あの報道は本当ですか?!」

「沖田さん!!」

「……本当です」

目の前が真っ暗になる。息が出来ない。暗闇の中に独り放り出されたみたいだ。

でも、次の一言で全てが変わった。

「ですが、僕がお付き合いしているのはあの女優ではありません。僕が結婚を前提にお付き合いしているのは一般人の女性です……ねぇ千鶴?」

「……え、?」



画面の向こうの総司さんはいつものように優しい笑みを浮かべている。















090602/有海

10000hit企画

もと様へ。もと様のみお持ち帰り、返品可能です。遅くなって申し訳ありません。※すいません、続きます…!!

芸能人パロディとのことでしたので、好き勝手やらせて戴いたのですが如何でしょうか…?予想外に長くなってしまったので続きます、すいません。

それでは企画への御参加、本当にありがとう御座いました!!
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