「ねぇ平助くん」
ふわりと花が咲くように隣に並ぶ日溜まりが笑う。そっとその小さな手を握り締めると、呼応するかのように握り返された。
「ん?どした、千鶴」
「終わりだなんて来なくていいのにね……」
そこで千鶴は一端言葉を切る。何となく言いたいことが分かった。
「全てのものに何時かは終わりが来るものだろ?こればっかりはしょうがねぇよな」
「そうだ、ね……」
見上げた空は何処までも遠く遠く澄んでいて、まるで優しい未来を予想させてくれるよう。
「ねえ、平助くん。もしも来世というものがあって、許されるなら、その時はまた、」
「その時もまた、一緒にいよう……な?」
暫くの沈黙。柔らかな風に野に咲く花々が舞い上がった。
うん、隣で小さな声が聞こえた。



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