函館前.千鶴side


温かいその大きな手にもう一度触れることを夢見ていた。


一日一日が途方もなく長く感じる。早く早く彼の傍に行きたい。例え彼がそれを望んでいなくとも。
支えにはならないかもしれない。彼は強いから。一人で前へ進んでいける人だから。
そんな彼に寄り添いたいと願うのは身勝手な願いなのかもしれない。でもそれでも。


この願いに祈りに望みに嘘はつけない。


「土方さん…」


あなたは今、笑っていますか。



090317/有海
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