彼との関係は永遠ではなかったのだ。永遠だと思っていたのに。
茹だるような暑さの中を足を引きずるようにして進んでいく。今日も青峰くんは部活に来なかった。もう何日も部活に来ていない。もう諦めたら、と何人もの人に言われた。試合には出るのだからそれでいいのでは、とも。もしかしたら諦めてしまった方がいいのかもしれない。その方が数倍楽なのかもしれない。何もなかったことにして、彼を諦めて、ボクは部活に出て。
なんて、できるわけがないじゃないか!
ボクにとって青峰くんだけが救いだった。ボクを見つけてくれたのは他でもない青峰くんだったし、逃げ出そうとしたボクを繋ぎとめてくれたのも青峰くんだった。他の誰になんと言われようと。救いがなくなった世界でボクはどうやって息をすればいい?呼吸の仕方を忘れた深海魚はその水温に圧迫されてしぬのかもしれない。
最早通いなれてしまったといっても過言ではない、屋上への階段を上って、ボクは今日も青峰くんを迎えに行く。かけられる言葉はわかっている。またその言葉で傷つく自分がいるのも分かっている。そうすることが青峰くんを追い詰めているかもしれないということすら。それでもボクはまだ、彼を繋ぎとめるむごたらしい魔法の言葉を探していた。祈るように。

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -