07
隠されたことはぶっちゃけ暴きたいと思う。それが自分が関わることなら尚更。
「なー、今日おは朝の占いみた?」
風呂からあがった俺は濡れた頭を大雑把にタオルでガジガジとふきながら冷蔵庫を開けた。
ちなみに質問の回答者は我が妹である。
「えー?見てないよ、お兄ちゃんの友達に信者のひと居るんじゃなかったの?」
「自分の星座しか見ないんだってさー」
俺はお茶をごくりと飲み干す。はー生き返る。
妹ちゃんはソファから乗り出してなんでなんでと俺に問うてくる。好奇心旺盛なところはきっと俺に似たなあ、なんて苦笑する。
「んー、ひみつ」
「…お兄ちゃんがそうゆう解答するときは大体恋愛関係って知ってた?」
やだこの子怖いわ、女の勘ってやつですか。
「んー、サイトとか載ってるんじゃない?」
「!…お前グッジョブ!今度プリン買ってやる!」
「やったー!」
お兄ちゃん大好きー!なんて後ろから聞こえて現金なやつだなあ、と思わずにはいられなかった。
「早くしろよもー…!」
ここまでくると通信中の時間でさえ惜しい気がする。
おは朝のサイトに繋がり、占いの文字を探すと意外と見つかりやすいところにあって、思わずテンションがあがる。
やべ、にやける。
やっと今日紗月ちゃんが隠そうとしたことを知れる、うおおお…!と変なふうに唸りながらそれを押し、紗月ちゃんのラッキーアイテムを探す。
そこには、「羊の人形」と書いていた。
思わずん?と頭を傾げる。
確かにカチューシャではないけれど秘密にするようなものでもない。
なんだったんだろ…、もやもやを抱えつつページをスクロールさせると真ちゃんの星座、つまりかに座のラッキーアイテムが「蝶ネクタイ」に変わっていた。
あれ、今日真ちゃんカチューシャじゃなかったっけ。
まさかあのおは朝信者がラッキーアイテムを間違えるなんてことあるわけない。
ん?ん?と頭にはてなを一杯浮かべながら一番下までページを下げるとやっとその謎が解けた。
日付が、明日になってる。
いや、ていうかむしろ。時計に目をちらりと向けると短針が12時を、長針は1分を指していた。
つまるところ、日付を跨いでいたのだ。
「仕事はええよおは朝…!!!」
思わず突っ込まずにはいられなかった。