あの子を攻略する方法 | ナノ



  03


「よー高科」
「おっす高科」
『あ宮地先輩、木村先輩。おはようございますー』

高尾くんにカチューシャを借りた私は教室に戻る途中で宮地先輩と木村先輩と出くわした。

『パン買いに来てたんですか?』

二人の手にはパンが二つか三つほど抱えられていた。
秀徳の購買は朝からやっていて二人共それに行っていたんだろうと勝手に推測する。

「部活やってたら正直昼弁当だけじゃ足りねーんだよな、あと朝練したら腹も減るし」
「かと言ってお袋に弁当の量増やしてって頼むのもあんまりだろ?折角作ってくれてんだから」
「マジうちの学校朝から購買やってて良かったわ」
『わー二人共いい息子さんですね』

おばさんか、と二人から突っ込まれてしまった。
失礼な華の女子高生ですよ。と反論しようとすると宮地先輩が「ん?」と声をあげて私の頭の上をじいっと見た。

「なーんかコレ…、高尾がしてるやつと似てねえ?」

あ。と思ったらもう木村先輩もじいっと私の頭の上のカチューシャを見て「そういえばそうだな」と答えた。

『あ、え…あの、』
「………高尾のだな」
「あんまりからかってやるなよ、宮地」

にまにまと笑う宮地先輩に断定されてしまい私は顔がカッと赤く染まった。

『た、高尾くんには秘密ですよ!』

私が真っ赤な顔でそう言うと宮地先輩はは?と、木村先輩はえ?と声をあげた。

「なにお前それ盗んだの?」
『え!?違いますよ!ちゃんと高尾くんから借りました!』
「じゃあ高尾になんて言って借りたんだ?」
『それは、今日のラッキーアイテムだからって…』
「じゃあ隠す必要ねーじゃん」

この時点でさっきの私の発言が完全に墓穴を掘ったことが確定する。
ああもう頭の記憶消す消しゴム誰かください。

『ほ、ほんとは…ラッキーアイテムがその…好きな人の身に付けているものだったので、思わず…ラッキーアイテムがカチューシャだって嘘ついて借りちゃいました…』

ああ一分前の私爆発すればいいのに。
恥ずかしさが限界を超えてだんだんと俯く頭。

「…いや、あー、別に高尾にはなんもいわねえよ」
「おう、そこは約束するわ」
『うう…お願いします…』


「はー…いまどきあんなヤツ居ねーよなあ」
「見ててこっちが恥ずかしくなるような純情さだよな」
「あーマジ高尾爆発すりゃいいのに」
「それ言ったら負けだぞ、宮地」

私が居なくなったあとに宮地先輩と木村先輩がこんな会話をしていたなんて知らない。

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