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やっぱりなんだか紗月ちゃんに避けられている。
気のせいだったら良いものをここ最近は真ちゃんの弁当を届けに来ず(真ちゃんは朝に家で貰っているらしい)、体育のときも俺が居るときは真ちゃんと話さないし俺が居なくなったら真ちゃんの近くに居るし。
なにより決定的だったのがこの前偶然購買で会ったときには目をぎょっとさせて反対方向へダッシュだ。
あまりの速さに俺は追いかけるなんて出来なくて、そして避けられているということが確定したのに凄くショックを受けて動けなかった。
今年一番ショックでした………。
結論としては、
「俺死ぬ」
「死ね」
宮地さん酷い。そこまで言わなくても。
いつもなら「ちょっカワイー後輩が落ち込んでるんっすから慰めてくださいよー!」なんて言うけれどそんな元気なんて皆無だ。
紗月ちゃん、充電が切れそうなので紗月ちゃんの笑顔ください。
「高尾くんどうしたの?元気ないね」
ああ、そうだこの問題もあった。
宮地さんは「げっ」と物凄く嫌そうな顔をして木村さんと大坪さんの方へ逃げた。
木村さんも大坪さんも「おまえ見捨てるなよ…」みたいな顔で俺と宮地さんを見ている。
俺も助けてください。逃げないでくださいもういっそひと思いに殺してください。
「まあ…、色々あって」
「良かったら私相談のろうか…?」
上目遣いで俺を見るけど大方狙ってるんだろう。けど、あんたじゃ足りない。
俺には、紗月ちゃんじゃなきゃ。
「いや大丈夫ッス、自分で解決できるんで」
「あっ、高尾くん!」
勘弁してくれ、ほんともう。
頭をガシガシと掻いたってため息を何度はいたって現状はまったく変わらないのだけれどそれでもつかずにはいられないぐらい俺は疲れているらしい。紗月ちゃん恐るべし。