two days ago
この頃、紗月ちゃんが俺に何か隠し事をしている気がする。
朝は俺の顔をじーっと見ながら登校し(何?と問えば何でもないと返ってくるのがセットである)、帰りは俺が部活だしそうでなくとも気付いたらもう帰っている。
幼馴染みである真ちゃんに何か知ってるか、と聞けばお前に教える筋合いはないと一刀両断された。
ていうか、その言い方じゃ絶対何かあるじゃねーか。
「えー浮気とか?俺に?だってイケメンだし?」
「黙れ伊藤」
「嘘だって。………いやそんなガチな目で見んなよ、目ぇ据わってますよ高尾さん」
伊藤を相談相手に選んだ俺がバカだった。
真ちゃんに捨てられた今、俺と紗月ちゃんのことを詳しく知っているのは伊藤なのだ。あとは部活の皆。
「でも朝夕は一緒に行ってんだろ?」
「週1でな」
「うん週6は緑間な。…お前緑間と付き合えば?」
「伊藤黙れ」
紗月ちゃんは早起き苦手だし俺はチャリアカー引かなきゃだしで、妥協案として週1で2人で行くことを真ちゃんに許可してもらったのだ。(つまりその日は真ちゃん歩き)
ほんとは週5で行きたいわ!!!!!!
「つーかほんと…、俺の自惚れじゃなかったらの話なんだけどさあ……」
そう呟きながら机に腕を組んで頭を乗せる。うわーこれ間違ってたら相当恥ずかしいんだけど…。
「うん?なんだよ」
「………俺の誕生日のためかなー、とか」
「…ソウカモネー」
伊藤のぞんざいな応答にくっそ言わなきゃ良かったと心の中で悪態をついた。
「そういやお前誕生日何欲しいのってクラスの女子に聞いてーって頼まれたんだけど」
「あー…紗月ちゃんと相談するわ」
「お前ほんと紗月ちゃん好きだな。つかそろそろ部活だろ、早く行けよ」
時計を見ればそろそろ宮地さんにどやされる時間になっていたので伊藤に別れを告げて俺は体育館に走った。
好きなものは聞き出せなかったわ
あいつ時計持ってねーから時計とかいいんじゃね?
ちなみに俺はチロルチョコをあげる予定
高尾あほだわー、と思いながら紗月ちゃんにそうメールを送って俺は携帯の画面を落とした。