あの子を攻略する方法 | ナノ



  某M氏の主張


はよくっつけや、内心そんな風に悪態をつきながら中々くっつかない鈍感天然アホ二人を遠くから眺めていた。
正直どついて早くくっつくのなら高尾の背中に飛び蹴りでもしてくっつけるだろう。
そのぐらい”やきもきやきもきもだもだぐだぐだ(以下略)”していた二人だった。

特に一番なんでお前らくっついてないの?と思ったのは夏休みのときだ。
推しメンの握手券をゲットするためにクッソ暑いなか自転車を飛ばしていたのだ。
そして家に帰る途中で見かけたその日一番暑い風景。暑いというか熱い。

なんでお前ら手とか繋いでんの?ねえなんなの?この自転車で轢いていいの?
割と本気で思ったことだ。

あとはカチューシャだったり(これは主に高科だ。「早く告ってこいよ」という言葉を喉で止めた俺を誰か褒めろ)、なんか高科に嫌われてるとか嘆く高尾だったりもうとにかくこいつら面倒くせえええええ!と何度思っただろうか。

それでも見捨てなかった、というより見守り続けた俺は………、いや何も言うまい。


「やーっとくっついたか…」

そして俺の、いやきっと秀徳高校バスケ部員の祈りが通じたようだった。

「ああ…、はい」

はあ、とため息をつく俺が話題にあげたのは入口で喋っている高尾と高科のことだった。
ここからじゃ高科の顔しか見えないがつい先日まで高尾と喧嘩してたとか嘘だろ?っていうレベルの笑顔だった。
緑間が俺の視線を辿り返事をする。珍しく気があった。
別にいま休憩中だから話しててもなんも問題はない、がこうもいちゃいちゃされると腹が立つというかなんというか。

「あー心配してた俺が馬鹿みたいじゃねーか」
「………」
「…なにいきなり黙ってんだよ」
「…心配していたんですか」

緑間が眼鏡の奥でわずかながら目を丸くしていた。

「っしてねーよ!何変なこと言ってんだ緑間ァ!!」
「………宮地さん、頬が赤いです」
「うっぜええええ!お前マジうざい!黙れ!」
「どっちかっていうとお前の方がうるさいぞ、宮地」

大坪に止められはっとする。気づけば他の部員もさらには高尾と高科までこちらを見ていた。

「宮地さんどーしたんっすかー?」

呑気にそう聞いてくる高尾に「お前いちゃいちゃしてんじゃねーよ!明日の外周追加!」とかなり理不尽なペナルティを課してしまったが俺は悪くない。
高尾が「なんで?!」と叫んでいたが俺は悪くない。

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