あの子を攻略する方法 | ナノ



  07


…友達、やだって、ああそっか俺のこと嫌いなんだよな…。
いや分かってた、うん分かってたけど…紗月ちゃんの口から聞かされると辛い。

『私高尾くんの特別になりたかった。高尾くんが好きだから、大事な友達じゃなくて大事な女の子になりたかったんだ』
「は…」

俺はいまなんて聞こえた?紗月ちゃんはいまなんて言った?
俺の事好きって言った?

『だから、友達にしか見られてないって分かって辛くて避けてた。嫌な思いさせてごめんなさい。
…それでもう辛い思いしたくないから、高尾くんが好きな私とはさよならしようと思う。今日は無理かもしれないけど、明日からきっと普通に接せられるように』
「は、え、ちょっ待っ…!」
『だからね、ばいばい』
「待ってってば!!」

叫んだ俺の声はスピーカー部分から聞こえた。

「くそ…!どこ、居んのマジで…!!」


「………良かったのか、それで」
『うん。ちゃんと、伝えられたし、すっきりした』

通話を切った私に真ちゃんがそう問いかける。
良かったのだ、これで。私が全部捨てちゃえば、それで良いんだ。

「………お前が決めたことだ。俺は文句は言わないのだよ」
『っ…とか言いつつ頭にアイアンクローをきめてるのはなんでかな!痛い痛い痛い!!』

真ちゃんの大きな手に私の人並み程度の大きさの頭を掴まれてはひとたまりもない。
痛いか、と真ちゃんは尋ねてくるが痛くないわけがない。

「そうか、痛いなら泣けばいいのだよ」
『………そこは可愛い幼馴染のために優しく慰めてくれればいいのに』
「槍が降ってくるぞ」

ああ…、と納得しかけたら掴む手の力が強くなった。
痛い、ああ、痛い。頬に涙が伝ったのもきっと痛いからだ。
すると、空き教室の扉ががらっと勢いよく開いた。

「どういう状況………?」

ぽかーんとした顔の高尾くんがそこに立っていた。

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