あの子を攻略する方法 | ナノ



  02


誠凛の監督さん改めて、リコさんはとりあえず女の子が欲しかったようで。

「しっかし秀徳に女マネが居たんだな」

しげしげと隣の日向さんが私を見ながら呟く。私は慌ててそれを否定した。

『あっ私マネージャーじゃないです!』
「あ、そうなの?じゃああの二人どっちかの彼女とか?」

そう言われて顔が真っ赤になった(気がする)。彼女ではないけれどそういう気持ちがあるのは確かなのでまあ恥ずかしい、といいますか。

『ちが、違います…!あの、真ちゃんの幼馴染みなんです…』
「ふーん…」



俯いていた紗月は知らないだろうが紗月の周りに座る二年が随分と微笑ましそうな顔で紗月を見ていた。具体的に言うなら小動物を見るような目で。
大方高尾のことを聞かれて恥ずかしかったのだろうがそれを無意識にしかも異性にやらかしたりするのでこちらは堪ったものではない。とばっちりは全て俺に飛んでくるのだよ。はあ、とため息を一つつくと向かいの黄瀬が「相変わらず紗月っちは可愛いっスねー」なんて呟いた。

「あの秀徳のマネージャーみたいな奴か?」

食べながら喋るな火神。

「違うのだよ。あれは俺の幼馴染みだ」
「幼馴染み…」

火神が訝しげな、というか複雑そうな顔で俺を見る。なんなのだよ、その顔は。

「火神くん。よくこんな変人と幼馴染みできるな…みたいな顔をしてはいけませんよ」
「おい黒子てめっ!」
「火神貴様…!」

否定しない辺り思っていたらしい。馬鹿正直なのだよ、お前は。

「まーでも確かに可愛いよな」
「でしょ!」
「なんで黄瀬くんが誇らしそうなんですか」

確かにそうだ。何でお前が胸を張る。


「へーじゃあ高尾くんが好きなんだ?」
『あ、う…』

にやにやとした顔をしたリコさんに私はもう洗いざらい吐かされている。
周りの人たちも止めないから気にはなるのかもしれない。一応声を小さくしたりの配慮はされているけど。

「そっかそっかー!良いわね青春してる感じで!」
『う、はい…』
「じゃあ高尾と一緒のテーブルの方が良いんじゃないか?」

伊月さんがそう提案してきたけれど私は首を振る。そんな高尾くんは海常の笠松さんと盛り上がっているらしく満面の笑みで話している。

『折角楽しく喋ってるんだからあんまり邪魔したくないです。それにやっぱり私は一般人で高尾くんとあの人は選手だから分からないことあもあるし…』
「健気ねー…」
「あっじゃあ俺があっち行って二人連れてこようか!」
「…待てコガ!それじゃあんまり意味ないから!」

返事を聞く間もなく小金井さんは「おーい!」と二人に声をかけた。

「あー…ごめんうちのコガが…」
「………小金井くんには練習三倍ね」
『さ、三倍!?いや良いですよ大丈夫です!』

そうして呼ばれた二人が空いた席に座る。

「チェンジって聞いたんスけどここで大丈夫スか?」
「あーうんそこで!」

そこ私の正面…!リコさん分かっててやってる!よね!?
周りの人には私の気持ちがばれているため余計恥ずかしい。自分の膝を見ていると高尾くんが私の名前を呼んだ。

「なんか俯いてっけど大丈夫?具合悪い?」
『だ、だいじょうぶ…』
「?ならいーけど…」

とりあえず高尾くんの顔を見事に直視出来なくなってしまった。

prev next




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -