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  Ver.高尾


高尾和成くんに逆プロポーズしてみた!


「へっ………」

私の言った一言に和成くんは目を丸くして振り返った。
なんだこれ、面白い。ただでさえ余裕ありまくりの和成くんの意表をつけたのならそれは嬉しい。

「えっ今なんて言いました…?」
『私と結婚してください、って言いました』

なぜか敬語になっている和成くんに合わせて、もう一度、さっき声にした言葉を敬語で紡ぐ。
和成くんはやっと意味を理解してくれたのか「えーマジで…」と頭を掻きながらソファに座っていた私の方へ寄ってきた。

そしてソファの前に腰を下ろして私を見上げる。

「そーいうの、俺から言おうと思ってたんだけどなー」
『告白は和成くんからだったから、プロポーズくらい自分でしようかなって。勝った!』
「いや勝ち負けじゃなくね?」

ガッツポーズを決めた私に和成くんは苦笑いで突っ込んだ。

『で、返事は?』
「んー?聞きたいんだ?」
『そりゃまあ…、なんか自分が突っ走ってたら悲しいというか虚しいというか…』

和成くんは膝に置いていた手を握った。

「断れるわけなくね?折角自分のかわいー彼女がしてくれたっていうのにさ」
『…なにその断りたいけど断れなくて渋々みたいな態度』
「そんなこと思ってるわけないでしょ。ま、自分からできなくてちょっと残念だけどさ」

というわけで、と和成くんが左手を口元に寄せた。

「一生、俺に守らせてね」
『………はい』

ちゅっと左手の薬指、指輪がはまるであろうところにキスを落とした。
ソファの下に居る和成くんがそんなことしてみれば、なんだかまるで絵本の王子様のようで私は少し頬が赤くなるのでした。まだまだ、彼には勝てそうにない。

 




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