ブラックベリー | ナノ



  03




昨日やっと森山先輩を見つけてハイテンションで私は教室へ向かう。
ああ、今日も森山先輩が見れるなんて嘘みたいだ。一発殴る。痛い、…これがしあわせな痛みというやつか…!
感動している私は周りが「あの子いきなり何やってるの…?」みたいな目で見ているのを気付かなかった。


『おはよー』

隣の席でクラスの女の子たちが何かに群がってきゃいきゃいしていたのでとりあえずその塊に声をかけるとその内の一人が振り返った。気のせいだろうか、頬が赤い。

「あっ陽菜ちゃんおはようー」
『………なに見てるの?』
「これっ!」

そう言って彼女が広げたのは一冊の雑誌。
二ページにわたり、金髪の男性が笑顔を向けている。

『………だれ?』
「え!?陽菜ちゃん知らないの?!」
『えっ』

そんな一般常識みたいなことだったのだろうか。
黄瀬涼太くんだよ!ほんとに知らないの?彼女は問いかけるが考えてみても思い当たらない。
私の顔を見て彼女は「ほんとに知らないんだねー…」なんてまるで珍妙なものを見るような顔になっていた。
私はツチノコかなんかですか。

「今年海常に入学してるんだよ!同級生!今年きた子はみんな黄瀬くん狙いだと思ってた」
『えー…?』

私は雑誌をまじまじと見つめる。
………かっこいい、けど。私は森山先輩が一番かっこよくて可愛いからなー!
はあ…森山先輩に会いたい…。

「あーもうほんとかっこいい!黄瀬くん!」
『そっか、会えるといいね!』

雑誌を抱きしめた彼女は輝く笑顔でうん!と答えた。
そういえば森山先輩の体育の時間っていつだろう。
体操服で動き回る森山先輩がみたい。あわよくば半袖でそこから見える男性にしては若干細い腕とか、あとは…は、腹ちらとか…!
どうしよう考えたら胸がどきどきしてきた…!絶対卒倒してしまう自信がある。

『っ…!』
「どうしたの陽菜ちゃん!顔真っ赤だよ!?」
『なんでも…なんでもないんです…!』

私は口元をおさえたままよろけつつ席に座った。
駄目だ…。死因が森山先輩とかになりかねない…!!いやでも本望…いや!

『私はまだ死ぬわけにはいかない…!』
「陽菜ちゃんほんとに大丈夫!?」

あっ通常運転なんで大丈夫です。

 




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