ブラックベリー | ナノ



  13




下駄箱の近くが朝から騒がしかった。
なんかあったけ…、と首を傾げると隣に居る小堀が呟いた。

「ああ…期末の結果じゃないか?」
「あーもうそんな時期か」

海常高校では毎度定期テストの結果を上位五十名張り出す。
驚きなのが笠松が大抵上の十番以内に入ってるということだ。あいついつ勉強してんだろ…。
まあ俺は五十番に入ったり入らなかったり、ぐらいだ。
ちなみに小堀は、

「23か…。前と比べて落ちたな…」

このぐらいだ。小堀今度俺に古文教えてくれ。今回古文さえなかったらもっと上だったんだ…!!

『あ、あった』
「え、ほんと?あっほんとだ一番じゃん陽菜ちゃん!すごい…」
「ファッ?!」

やべえマジで気付かなかった。
後ろに如月とその友達(名前は里緒ちゃんと言ったか)がはしゃいでいるのに気付かなかった。
しかも一番とか、嘘だろ。いや勉強してるのは知ってるけど。
そして俺の声に気付いた如月がばっと振り返る。
あ、やばいと思ったときには既に遅かった。如月は一目散に俺に飛びついてきた。

『あっ森山先輩と小堀先輩!おはようございます!朝からとってもかっこいいです!今日一日…いや一週間乗り切れます…!!』
「はは…おはよう、如月さん」
「うわああああ!ひっつくな!!やめろバカ!」

俺は如月の頭をぐいぐい押して離そうとするがお前は接着剤か!ってレベルで離れない。
俺は!どっちかというと隣の里緒ちゃんと喋りたい!

「離せ!」
『嫌です!』

即答か、そうかよ。
しかも腕に抱き着いてるものだから、ぶっちゃけ柔らかい感触がですね…、ていうかお前小さい割に意外と…あるな。

『あああもう森山先輩ほんとかっこいい…!』
「そりゃどうも!腕離してくれると俺はもっと嬉しいんだけどな!」
『それだけはお断りします!』

にこーっ!と満面の笑みで俺を見上げてくる如月は可愛いけど可愛くない。

「あー、森山彼女できたって噂ほんとだったんだー」
「?!」

くそう…!なんて思っていると後ろの方から女子の声が。
しかも俺に彼女が出来たって?!誰だそれ紹介しろよ俺に!

「えっほんと?」
「ほらー、あれ今くっついてる子そうでしょ」
「あ、ほんとだー朝からいちゃいちゃしてるし」

如月が彼女とか誤認もいいところである。
絶望している間に彼女たちはもう別の話題に移ったのかその場から居なくなっていた。
これの!どこが!いちゃいちゃしてるように見えるんだよ!!!由孝分かんない!


14.12.08 加筆修正

 




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -