黄瀬 「夢ちゃーん!ただいまッス!」 『わあ!お帰りなさい黄瀬さん!』 玄関で俺の熱烈なハグに嫌がることなく応えてくれたのは彼女で同棲中の夢ちゃんだ。 『今日も一段とお疲れですね…。どうします?ご飯にしますか?お風呂にしますか?』 「夢ちゃんが良い」 『…そのような選択肢はありません。そんなこと言う人にはご飯抜きです』 「それはやだ!お風呂入ってくるッス!」 そう言うと夢ちゃんは着替えもっていきますね、と笑って俺をお風呂に送り出した。 はああ…もう夢ちゃんマジ天使ッス…! 俺がお風呂からあがると夢ちゃんは待ってましたと言うようにドライヤーのスイッチを入れた。 俺もそんな夢ちゃんの脚の間に大人しく座る。 『はああ…!黄瀬さんの髪の毛なんてサラッサラなの…!』 「日頃から夢ちゃんが気をつけてくれるからッス!」 ありがたいお言葉です、なんて彼女は笑うけどほんとに夢ちゃんのお陰だもん。 「今日の仕事も疲れたッスー!」 『お疲れさまです』 「もう夢ちゃん俺の専属になってッス…!」 『それはやです』 俺が膨れると夢ちゃんはごめんなさいと苦笑いだ。 分かってる。彼女が色んな人と関わりたいって思ってるのと俺と付き合ってるからって仕事貰いたくないのを知ってる、けど。 「だって…今日のメイクさん俺の顔めっちゃべたべた触るしめっちゃ喋るってくるしもう疲れた…」 『あらまあ』 「…夢ちゃんは妬いたりしないんッスか?」 俺が夢ちゃんを見上げると夢ちゃんは眼を真ん丸くして俺を見ていた。 『んー…、妬く、ですか…』 「えっ妬かないんッスか!?」 『そうですね…、あんまり気にしてないです』 え、それは俺のことそこまで好きじゃないっていうことですか。 ひさびさに泣きたくなってきた。 『違いますよ!なに怖い結論に飛んでるんですか!』 「だって、…」 『違います!…黄瀬さんちゃんと私に言葉をくれるじゃないですか。だからそれで、良いんです』 はい終わりです、なんて言いながらカチッとドライヤーのスイッチを切る。 「っ〜〜〜…夢ちゃん好きッス!!!」 『わああああっ!!!』 思わず抱き着いてしまったけれど彼女がかわいすぎるのがいけないと思う。 まあなんやかんやで僕らは結構幸せにしてます。 ------ 連載にしてみたいようなしたくないような@ 彼女は黒子みたいに大人しくて芯の強い子 黄瀬は夢主のこと〜っちとは呼ばないけど尊敬してないわけではないです おんなじ景色を見れるわけじゃないけど別視点から見れちゃう故にわかりあってる二人…みたいな ←→ |