短編 | ナノ

冬のカイロは必需品。



男子っていいよなあ。

吹き付ける冷たい風に体を震わせながら漠然とそう思った。
女子はスカートという防寒度マイナスなものの着用を義務づけられているっていうのに男子は学ランで首まで完璧じゃないか。

ああ、こんなところでも男女差別が起こっているのかなんて嘆いてみるけれどよくよく考えたらムサイ男がスカートを履いている姿を見てしまうと爆笑を通り越して吐きそうになると思った。

「はよっす」
『おあ、おはよう宮地…相変わらず寒そうだね』

後ろから声をかけられ振り返ると、マフラーをぐるぐる巻にしながら尚寒そうに首をすくめている、私の彼氏様がいらっしゃった。

「カイロ忘れた…」
『ドンマイ。でもスカートじゃないからいいじゃない。はいてみる?』
「はかねーよ、ばーか』

ん、と手袋をつけた右手を私の方へ差し出した。
私はカイロ替わりか、なんて苦笑しながらもその手を握った。

「あー、あったけえ…。ほんっとお前体温高いよな」
『子供体温だからねえ』

気に入ってるでしょ、と私が宮地に言うとそれも一個だな、と呟いた。
一個ってことは他にもあるんだなあ、なんて思うとふんわりと心があったまった。


冬のカイロは必需品。

宮地清志/krk

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宮地さんが寒がりだったらくっそ可愛い






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