すみません、そう頭を下げた俺に気にすんなと若松先輩は笑った。前にもあった、その言葉には眉尻を更に下げてしまう。
(あんなに変わっているなんて、思わなかった‥)
ずっと傍に居れば良かったと後悔しても仕方が無い、前に進まなきゃならないんだ。体育館への帰り道、あの紺野幸が桐皇になー‥と呑気に話をする先輩を見上げつつ苦笑い


「気が向いたらいつでも入れよ、お前は歓迎する」
「それ、監督にも言われました」
「何か他にやりてーことでもあんのか?」
「‥大輝を、変えます」


俺の言葉にぽかん、とした先輩に笑い掛ける。恩返しをしに行きます、すみません。わけがわからない、そんな顔をする若松先輩は無茶すんなよとだけ呟いた。この人は不器用だけど優しい、いい人だ。
さつきにだけ先に帰ると伝え、鞄を持って向かったのは懐かしいジム。お久しぶりです、見慣れた姿に一礼して顔を上げたら俺の名前を呼びながら、景虎さんは笑った


頼り、訪ねる

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