01
「マネージャーをやれ」


その言葉に、青峰から奪い返そうとしていたノートから視線を外した。私の目が捉えたのは、赤。そうして判断した、これは逃げるべきなのだと。幸いにも此処は二階、近くに屋根のある渡り廊下があるから其処へ上手く行ければ、と瞬時に思考を巡らせ駆け出す。
(そもそも、根本的な話で私は赤司が好きじゃない!)
ちらり、振り向けば追いかけて来る姿。手近にあった窓を開け、慌てて飛び出した。死んでも捕まるものか


「あれっ、睦ちゃん?」
「桃井ちゃん、!」
「どうしたのそんなところから、青峰君じゃあるまいし!」
「ちょっと人に追われてるんだ、また後で!」


その言葉だけで何かを察したらしい彼女は、私の背中に赤司君からは逃げきれないよー!なんて不吉な言葉を浴びせた。死ぬ気で逃げ切る、そう決心したけれど桃井ちゃんの言葉が正解で。
(ああ、さよなら、私の快適スクールライフ‥)
にっこり微笑み私に詰め寄る彼から逃げる術、プリーズ


それでもまた逃げる




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