YWPD | ナノ


▽ はじまりの朝+注意書き


 


僕は子どもが大好きだ。
他にもいろいろ理由があるけど、それが一番大きな保育士になりたい理由だと思う。子どもが好きなアニメを僕も好きで、話が合うってことも魅力的だし、子どもの成長を支えられるってのも素敵だけど、すべての根本には子どもが大好きって思いがある。

だからこそ今日も、掃除中に声をかけられるとうれしくなった。

「せんせぇ〜」
「ん?」
「(みつかってもた!)えへへ」

下駄箱のかげで口を手で押さえて笑う章吉くんを見つけて、
「おはよう章吉くん」
と声をかけると、
「しょーきちな、きょう、えきやねん! びゅーんってきてんな!」

「こら章吉。先に挨拶だろ、おはようございますだ!」
「うっさいな〜おっさんは!」
「父親に向かってなんてこと言うんだ! 帰ったってタコ焼きなしだからな!」
「そんな……せっしょーな!」
「あははは」

会うたびに何かしら言い合いをしている親子を微笑ましく見ながら、僕は手に持っていたオモチャ拭き用の雑巾を下の洗濯機に入れに行った。
そしてホールに戻ったときすでに章吉くんは土曜保育の部屋に入っていたが、代わりに玄関のインターホンがまた鳴った。土曜日のこの時間は登園する子どもが多いのだ。

「せんせーだ!」
「尽八くん、おはようございます」
「せんせーがいるってことは土曜だな、きょうは!」
「よくわかったね、すごいね尽八くん! ちなみに先生の名前はなんでしょうか?」
「……うぬー」

自信満々に胸を張った尽八くんにちょっといたずらな質問をして困らせていると、となりからもう一人登園してきた。

「おのだせんせ、ショ。おはようございますショ」
「おはようございます悠介くん」
「あ、巻ちゃんだ! 巻ちゃんにみせたいものある、バックいれたから、みせてやろう!」
「どうせカチューチャ、ださいし、みせなくていい、ショ」
「ださくはないな! カチューシャだもん!」
「とりあえず二人とも、お部屋に入って先生たちにおはようございますしておいでよ? ね?」
「「へ〜」」

抜けた返事の二人の背中を押しながら、保護者の方に頭を下げて「いってらっしゃい!」と送り出した。


土曜日保育のアルバイト先生の一日は、いつもこうして始まる。








※注意事項


 大方実録です。しゃべり口調だったりは弱ぺダに寄せてますが、出来事的には去年の4月〜先々週ぐらいまでのことをまとめて書いてます。
 子どもの気分によって腐向けに傾いちゃったので、一応腐向け表記です。新荒じゃない? みどさかじゃない? そんなことは子どもに聞いてください、うじりは口説かれた側デス(・ω・')

 個人情報に掛かるようなことは捏造してますので、ご心配なく!

 とにかく御堂筋くん(代理)が可愛すぎて、そろそろ本当に、むぎゅむぎゅしたいです。



それでもよろしければ、どうぞ→

 

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