。。。空色キャンディ。。。




その後もいくつかのお店をみて回った。

気づけばもう空が紺色に染まりつつある。

「寮に帰る前に公園に寄って行かない?」とかなでさんに言う。

「いいですよ。あっ、ケータイ・・・」

そう言って彼女が取り出したケータイにはさっき買ったストラップが着いている。もちろん僕のケータイにもそれはある。

「ニアちゃんからだ」とかなでさんは言いながらメールを確認しているようだ。

僕は別に着信があった訳ではなかったが自分のケータイを取り出して、ストラップをみる。誰かとお揃いになるように物を買ったのは初めてだった。

ふとかなでさんをみると、彼女も同じように自分のストラップをみつめていた。

「こういうの、いいですね・・・・・・繋がってるみたいで」と彼女は呟く。

「繋がってる?」

「はい。これをみる度に、先輩の顔とか声とか思い出すんです。そうすればきっと、会えなくても寂しくないから・・・」

「・・・そうだね。僕もこれで君を思い出すことにするよ」

「ふふふ、ありがとうございます」かなでさんは僕の言った言葉を聞いて、嬉しそうに笑った。



そんなことを話しているうちに公園に着いた。並んでベンチに座る。

昼間の暑さもひき、涼しい風が吹いてくる。

2人ともしばらく無言でその心地よさを楽しむ。

その沈黙の中、先に口を開いたのは僕だった。

「かなでさん、君にプレゼントがあるんだ」

「プレゼント・・・なんですか?」

「はい、これ」と僕は言って、リボンの着いた小さな箱を取り出して渡す。

「開けてみて」

かなでさんが箱を開ける。

「わぁ、可愛い!」

中に入っているのは小さなビン。さらにビンの中にはネックレスが入っている。

「さっきストラップを買ったお店でレジに行くときに見つけてね。前にかなでさんビンを集めるのが好きだって言っていたから」

「憶えててくれたんですね・・・嬉しいです」

「君のことだからね。そのネックレス、今着けてくれる?」

「あっ、はい」

かなでさんはビンの中からネックレスを取り出す。僕はそれを受け取って、彼女に着けてあげる。



「このトップの飾り、ひまわりですか?」

「そうだよ。君に似合うと思ってね・・・思った通り、可愛い」

可愛いと言った瞬間、かなでさんの頬が少し赤くなる。それからごまかすように、「なんか私ばっかり喜んでる気がします」と言った。

「そんなことないよ。僕はかなでさんとこうしていられるだけでも嬉しいからね」

「それはそうかもしれないですけど・・・・・・あっ、そうだ!私も何かお返しします」

「別にお返しなんてなくたっていいんだよ?」

「いえ、それじゃあ私の気が済みませんから。先輩は好きなものとか欲しいものとかないんですか?」とかなでさんは聞いてくる。

彼女はこういうことに関しては強情なところがある。きっと僕が何か言っても引かないだろう。



好きなもの・・・欲しいもの・・・僕は考える。

そして思いついた答えをそのまま口にした。



「・・・君が欲しい・・・かな」

「えっ・・・?」彼女はぽかんとした顔をする。

僕はかなでさんを抱きしめた。

「!・・・」かなでさんはさっきよりも赤くなっている。

「僕が1番好きなのはかなでさんだよ。今2人きりで入れるだけでも嬉しいけど・・・もっと君を独占したいんだ」

「先輩・・・」そう言って彼女はおずおずと僕の腰に手を回す。

「私だって、静先輩ともっと一緒にいたいし・・・独占だってしたいです・・・」とかなでさんは恥ずかしそうに言う。

「かなでさん・・・」



本当に君は、僕にたくさんのことを教えてくれる。

愛しい気持ち。嫉妬の気持ち。どれもこれも君に出逢うまでの僕にはなかった感情。

そんな感情が邪魔に感じることだってある。

だけどそれがあるからこそ、人間なんだとわかったから。



「恋した相手が、君で良かった」



僕は素直にそう言える。

すると彼女は頬を染めながら嬉しそうに笑って。

たまらなく可愛い君に、触れるようにキスをした。





始まりは練習室。



きっかけはあの金色に輝く草原。


僕はその日を忘れない――――






fin







さて、初めての天宮先輩作品であり、コルダ3作品でもあるSSですが、いかがでしたでしょうか?

ちょっと油断すると加地くんになる先輩と格闘しつつ(笑)書いていましたが、まぁいい感じになったかなーとww

もう2人でイチャついてればいいんだ!(笑)



しかしこれが単体作品ならいいのですが、ナツさんがこれからかなでサイドを書くんだと思うと、こんなんで大丈夫かなと心配に(´Д`)))ガクガクブルブル

ナツさーん!書きにくかったら無理しないでください!

それから容赦なく「書きにくいんだ、バカヤロー!」と文句言ってください!

どんな修正にも応じますので(><)



あっ、ちなみにタイトルは「始まりは金色の草原」の英訳です。

Yahooの翻訳機能で翻訳したらこうなったww

わかった人いたのかな(^^:



最後に一言。駄文かもしれませんが読んでいただいた方ありがとうございました!

それからナツさん。大変かもしれませんが、いままで素晴らしい作品を書いているナツさんのことだからと、期待してます!←おい



それでは。青葉紅祢でした☆

2010.6.11


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