。。。空色キャンディ。。。



次の日の昼休み。

音楽科の屋上で1人、手すりにつかまって空を見上げていた。

昼休みといえど屋上は人がほとんどいないため、落ち着くにはちょうど良かった。



あれから響也とはまともに顔を合せていない。

会ったところで何を話していいのかもわからなかった。

「うぅ〜、どうしよう・・・」私は呟く。



すると後ろから「何がどうしようなんだ?」と言う声がした。

私がびっくりして振りむくと、そこにいたのはニアだった。

「なんだ、ニアか。びっくりしたー・・・」

「なんだとは随分と失礼な言い方だな」とニアは私の隣に並んで言う。

「ごっ、ごめん・・・」

「まぁ、いい。親友にたいしてそれくらいで怒ったりはしないよ」

ニアはそう言って微笑む。





「それで、なにを悩んでいるんだ?私に話してみないか?」

「うっ・・・ニアに話すとネタにされそう・・・」

「おや、君にしては珍しくするどいじゃないか」

「えぇ!ホントにネタにする気なの!?」私は慌てる。

「あははは、冗談だ。私の口はそんなに緩くない」

「ニアのいじわる・・・」

私はそう言いながらも、昨日のことを話した。



「なるほどな。如月弟が元気のない原因はこれだったか」

話を聞き終わったニアは開口一番に言った。

「えっ、響也が元気ない?」

「あぁ。一見いつも通りだったが、なんとなく元気のない感じだったぞ。きっとあいつも気にしているんだろう」

「響也・・・・・・」

私はうつむく。





「これからどうすればいいのかな・・・」

「そんなもの決まっているだろう?仲直りをすればいいだけだ」

「そうなんだけど・・・」

「こんなところでうじうじ悩んでいても仕方ないだろう。ちゃんと話をすればいいだけだ。それから・・・」

ニアはもったいぶりながら、にやりと笑う。



「自分からキスでもしてみたらどうだ?」

「・・・・・・えぇっ!?無理だよそんなの!!」

「あの純情の塊の如月弟を待っていたところで、いつになるかわからないぞ?だったら自分から言った方がいいだろう」

ニアは腕を組んで言う。

「だけど・・・」

「なんだ、したくないのか?」

「・・・そっ、そういうわけでもないけど!」

「女は度胸と言うだろう?一歩踏み出せばいいだけだ」

「それを言うなら女は愛嬌だよ・・・」

「ん?そうだったか?」

ニアは素知らぬふりで言うだけだった。





3に続く
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