。。。空色キャンディ。。。




かなでは響也が小さくなった時のことを説明した。

「俺たちの周りが光って、気づいたら俺がこうなってたってわけか・・・」

「うん・・・響也はさっきのこと覚えてないの?」

「いや、周りが光ったことはなんとなく覚えてるけど、後は記憶にない」

「そっか・・・」

かなでは肩を落とす。



「・・・まぁ、なっちまったもんはしょうがねーよ。だから・・・お前がそんな顔すんなよ。別にかなでのせいじゃないんだからさ」

響也は少し照れながら言う。

「うっ、うん。ありがとう・・・」

「とりあえず、だ。俺はどうしたら元に戻れるのか考えなきゃだよなー・・・」



響也は立ち上がり、うろうろと歩きながら考え始める。

その時、机の傷につまずいて響也が転ぶ。

「いって!」

「あっ、大丈夫?」

かなでは指を差し出す。

「あー、うん・・・」と言いながら響也は指につかまって立ち上がった。



その時、かなではハッとした表情をした後、「ふふ」と笑った。

「なっ、なにお前笑ってんだ?俺がこけたのがおもしろかったのかよ?」と響也は少し怒った口調で言う。

「ごめん、そうじゃなくて・・・これも一応、手をつないでることになるのかなぁって思っちゃって・・・」

「!」響也はとっさにかなでの指から手を離す。



2人とも沈黙してしまい、聞こえるのは時計の針の音だけになった。



「あの・・・さ、さっきの話だけど・・・」先に口を開いたのは響也だった。

「俺だって、その・・・恋人らしいこととかしたいとは思ってる。けど・・・」

「けど・・・なに?」

「・・・今まで幼馴染として接してきたから・・・恥ずかしいっていうか、なんていうか・・・」響也は口ごもる。

「でも、俺・・・かなでのこと・・・・・・好き、だから・・・」

響也は赤くなった顔を見せないようにしながら言った。

「!・・・・・・私も、響也が大好きだよ」

かなでは恥ずかしがりながらも笑顔で言った。





その時、「ようやくちゃんと気持ちが言えたのであるな!」という言葉がさっきと同じ声で聞こえてきた。

そしてまた2人は光に包まれた。





かなでが目をあけると、元の大きさになった響也が目の前の机の上に座っていた。

「響也!・・・よかった、元に戻って・・・」

「あっ、あぁ・・・」

響也は自分のあちこちを見て異常がないか確認しながら答える。

「・・・今のってなんだったんだ・・・?」響也は呟く。

「うーん、わからないけど・・・・・・でも、響也の気持ちが聞けて嬉しかったよ?」かなでは笑顔で言う。

「なっ・・・別にあれは!・・・ほら、さっさと帰るぞ!」



響也はそう言って荷物を持ってさっさと歩いて行く。

「あっ、待ってよ!」かなでも慌てて荷物を持って、響也に追いつく。



「手、つないでいい?」

かなでは響也の顔を覗き込みながら聞く。

「・・・そんな顔してもだめだ!」

「えー、なんで?」



かなでと響也はいつもとあまり変わらない話をしながら歩いて行く。

そんな2人を、後ろから満足そうに眺めている1人の妖精がいることは、誰も知らなかった―――







fin







この作品は「手乗りヒーローズ」という企画サイト様に提出のお話です。

今回企画もの初参加で色々わからないながらも、頑張って書いてみました!

もうこの2人はずっと照れたり照れさせたりしてればいいと思います(笑)

文章等々、至らないところもたくさんあると思いますが、読んでくれた方ありがとうございました!

そして最後に、主催の神崎乃愛さま。私用で提出期限が遅れてしまい申し訳ありませんでした。

素敵な企画を開催してくださったことに感謝です!

ありがとうございました!

2010.9.17


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