。。。空色キャンディ。。。




神社は予想通り、たくさんの人が初詣に来ていた。

お参りをする人で行列が出来ている。

「うわー、やっぱり混んでるね。はぐれないように気をつけなきゃ」と加地は言いながら、香穂子の手を握る力を少し強くする。

「そうだね。よし、並ばないと」と香穂子は言う。

2人も列に加わる。





しばらく待ったのち、やっとお参りが出来るようになった。

香穂子は手を合わせ、「葵くんとずっと一緒にいられますように」という願い事をした。



「お参りもしたし、せっかくだからこのあたりのお店、みていこうか?」と加地が言う。

「うん」香穂子は頷く。

2人は歩き出した。









その後、近くのお店を眺めたりした。

そのうち夕方になり、再び電車に乗る。

駅から香穂子の家まで歩く道の途中で加地が「ちょっとそこの公園、よっていかない?」と言った。

香穂子は、「うん、いいよ」とうなずく。

「じゃあ、僕飲み物買ってくるから待ってて」と加地は言って、少し離れたところにある自動販売機に向かって行った。





香穂子がベンチに座って待っていると、加地が戻ってきて温かい紅茶の缶を渡した。

「はい、香穂さん」

「ありがとう」と香穂子は言って缶を受け取る。

2人は紅茶を飲みながら雑談をする。



その時、香穂子ふと思いつき、「そういえば葵くんはお参りの時、何をお願いしたの?」と聞いた。

「僕は、香穂さんにいいことがありますようにってお願いしたよ」

「えっ、自分のことじゃないの?」香穂子は驚いて聞く。

「確かに香穂さんのことだけど、これは僕のことでもあるんだよ」

「どうして?」

「だって、香穂さんにいいことがあれば、僕も幸せだからね」と加地は言って笑う。

「葵くん・・・」香穂子の頬がほんのりと赤に染まる。

「香穂さんは何をお願いした?」

「私は・・・葵くんとずっと一緒にいられますようにって、お願いしたよ」

「・・・香穂さん・・・」加地は少し驚いたような顔になる。

「香穂さんがそんなことお願いしてくれたなんて、嬉しいよ」

「・・・そう?」

「でもお願いなんかしなくても、僕は香穂さんとずっと一緒にいるよ?」

「・・・うん。葵くんだったらそう言ってくれるだろうなって思った。けど・・・」香穂子は加地から目をそらす。

「けど?」加地はゆっくりと問いかける。

「・・・葵くん、かっこいいし、人気あるから・・・だから、私よりいい人がみつかったりしたら・・・」言葉がつっかえてしまい、上手く出てこない。



すると、加地は香穂子を抱きしめた。



「わっ、えっ、葵くん!?」香穂子は慌てる。

「・・・ごめん、香穂さん。君を不安にさせてたなんて知らなかった」

「・・・葵くんは悪くないよ?」

「ううん。だって僕は、君の不安に気づいてあげられなかったんだから・・・けどね香穂さん、これだけは覚えておいて」

「・・・なに・・・?」

「例え神様が僕を香穂さんから引き離そうとしても、僕は君から離れないよ」

「!・・・・・・」

「こうやって、側にいるから」

「・・・・・・うん、わかった・・・ありがとう、葵くん」香穂子は、加地の服に顔をうずめたまま言う。

加地は香穂子から腕を離しながら、「どういたしまして」と言って笑う。

その笑顔を見て、香穂子もつられて笑う。

そして心の中で、自分は加地から離れられないなと思った。

だって、こんなにも好きなのだから――――









fin







話の終わりをどうするか迷いました(--:)

こんなんでよかったのかどうか・・・

もっと詳しいあとがきをブログに載せているので、そちらもよければみてください(^^)

2009.12.22


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