生きている意味

13.任務


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シカマルとサワトが集合場所に到着すると、既にスタンバイしていたイズモが軽く手を挙げた。

「すみません、待たせちまって」

「まだ時間前だ。気にするな。じゃ、少し早いが、行くか」

イズモが木に持たせていた身体を起こした。

彼が本任務のリーダーである。

リーダーの視線を受けて二人はそれぞれ了解の意を示す。

それを合図に、目的地に向かって走り出した。





移動しながら任務の内容について改めて確認する。

「今日の任務は山里の一角に巣食ったゴロツキたちの排除、Cランク任務だ。本来4マンセルで行きたいところだが、まあ今の里の状況じゃ仕方ないな。Cランク任務に中忍が二人ついただけでラッキーだろう。ま、と言っても単なる寄せ集めだがな」

「捕縛ですか」

シカマルが問う。

「ああ、それが最善だろう。出来るだけ手早く済ませたい。なにせこのメンツだからな。サワト」

「はい」

「幻術で連中を大人しくさせろ。シカマル」

「はい」

「親分影で押えとけ。右目の上に刀傷のある男だ。人物を見誤るなよ。残りのザコはオレが片づける」

「わかりました」

「了解」

サワトは幻術使いだ。

風を利用して相手を術中に陥れる。

第十班時代は、サワトの幻術で相手を惑わせ、シカマルの影真似で動きを封じ、状況に応じていのの心転身かチョウジの倍化の術で仕留める、これが十八番であった。

彼の術の精度は、里でも定評がある。

イズモは二人の先輩だ。

普段前線に出て戦うタイプではないが、その分情報収集を密に行い、対策を立てている。

この連中も、おそらくトップさえ押さえてしまえばあとは烏合の衆なのだろう。

だから自分一人で十分と考えた。

問題あるまい。

自分は速やかにトップを見つけ出し、拘束することだけを考えればよい。

しかし、イズモが出来るだけ手早く済ませたいと言ったのも頷ける。

ここにいる三人は全員、本来サポートタイプ。

主力となって戦うタイプの忍がいないのだ。

戦いが長引き、体力戦になっては少々きつい。

寄せ集めたというのは本当で、身体が空いていたのがこの三人だったのだ。

だからこんなに偏ったチーム編成になってしまった。

とはいっても、相手はゴロツキ。

少し喧嘩の強い素人だ。

特に心配する必要もないだろう。

「見えたぞ」

イズモの声にシカマルは視線を上げた。



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