生きている意味

05.嵐の日の真実


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「うん、あの異常気象も元はただの低気圧でしかなかったんだ。しかしだ、天候に細工をした輩がいてね」

「天候に細工?どういうこと?カカシ先生」

「ま、簡単に言うとだ、風遁や雷遁で上昇気流を作り出し、雨雲を発達させ、雷雲を呼んだ」

「出来るの?一部の地域ならまだしも、里全体にそんなこと…」

サクラが驚く。

「実際、あの天気は尋常じゃなかったでしょ」

確かに木ノ葉の風土から考えても、あれだけの豪雨は通常ありえない。

「犯人は何者だったんスか」

「んー、抜け忍の集団とも、後ろに雷の国の存在があったとも言われてるがね」

「はっきりしないっスね」

「何しろ、あの日は周辺諸国の合同記念式典があって、火影様や主だった上忍は、式典参加やその警護で里を出払ってたんだ。異変を知って急ぎ里に戻ったが、すでに事が済んだ後だったよ」

異変を知って戻った、ということは、里の天候がただの集中豪雨ではなく、意図的に作り出されたものであるということを知った、ということか。

記念式典中にどうやって知りえたのだろうか。

「先生たちは記念式典に行ってたのよね。どうやって異変を知ったの?確かにすごい雨だったけど、普通だったら意図的なものだとは思わないわよね」

同じことを考えたサクラがカカシに問う。



「お前たち、長郷一族って知ってるか?」



サクラが首を横に振る。

シカマルにも覚えのない名前だ。





「長郷一族とは」





綱手が口を開く。

「定住せず、世界を移動しながら生活している一族でな、いわゆる情報屋だ。各国の情報を売買しながら生活している。彼らの存在は脅威でもあるが、同時に、各国とも非常に重要視している。なぜなら、彼らが各国の情報を程よく流出させることによって、パワーバランスが保たれているからだ。どこかで不穏な動きがあれば、長郷一族の手によって必要な情報がもたらされる」



なるほど、話が見えた。



「式典の日に里の異変を知らせたのが、その長郷一族ってわけっスね」

「そうだ」




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