07.奈良家へ
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看護師たちとの挨拶を済ませ、外へ出る。
シカマルは、簡単に木ノ葉の地理を説明しながら奈良家へ向かった。
途中ですれ違う人々にいちいち怯えながら、マガナミが後に従う。
さて、本当に家に連れて帰ることになってしまったが、果たして、実際大丈夫なのだろうか。
シカマルはぼんやり考える。
厄介な境遇にあったと推測される少女。
対する気の利かない、めんどくさがり屋。
どう見てもミスマッチだ。
後ろで、子どもに声を掛けられ、全身を硬直させているマガナミを促す。
しかしまあ、自分ひとりですべて背負い込む必要もない。
サクラもチョウジも手を貸してくれるだろう。
母親も自宅に招くことを承諾してくれた。
一度引き受けたことには責任を持つ人間だ。
力になってくれる。
ま、こうなっちまったら、なるようになるだろ。
食い入るように下を見つめて歩くマガナミを尻目に、シカマルはひとりごちた。
そうして、ほとんど会話のないまま、二人は奈良家へたどり着いたのだった。
「着いたぜ。たいしたもてなしも出来ねーが、勘弁な」
声をかけながら敷居をまたぐ。
門前でしり込みしているマガナミをどうにか玄関まで連れて行き、家の中へ入った。
外の明るさに慣れた瞳に、家の中は少々暗い。
人が帰ってきた気配に気づき、ヨシノが奥から出てきた。
まずシカマルと視線を合わせ、軽く目配せをしてからマガナミに移す。
「いらっしゃい。待ってたわ」
大きな笑みを浮かべて、ヨシノは二人を温かく迎えた。
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